ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「満韓交換論」の意味・わかりやすい解説
満韓交換論
まんかんこうかんろん
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日露戦争前に主張された対満州・朝鮮政策に関する構想の一つ。日清戦争後日本の朝鮮における立場は後退し,ロシアの進出が顕著となったため,ロシアの満州支配を認めるかわりに日本の朝鮮支配を認めさせるという日露協商の構想が唱えられ,これが当時満韓交換論とよばれた。西・ローゼン協定に反映されたが,加藤高明など日本に不利益として反対する者も多く,日英同盟が調印されると姿を消した。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
…それはまず,清,韓両国の独立と領土保全,両国における商工業上の機会均等の原則を掲げ,ロシアが韓国における日本の経済活動の自由のほか,韓国の改革のため日本の助言と援助,さらに内乱勃発の際における日本の軍隊派遣を認め,他方,日本はロシアの満州における鉄道経営の特殊利益と内乱勃発時に満州へのロシアの軍隊派遣を認めるというものであった。このいわゆる満韓交換論を基礎にして,日本は7月以降対露交渉を開始した。10月にロシア側の対案がもたらされたが,その内容は日本の韓国への助言・援助を民政だけに限定し,韓国領土内の軍事上の目的での使用や朝鮮海峡の韓国側沿岸に軍事工事を施すことは認めず,さらに北緯39゜以北の韓国領土に中立地帯を設けることなどを提案してきた。…
※「満韓交換論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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