滑り込む(読み)スベリコム

デジタル大辞泉 「滑り込む」の意味・読み・例文・類語

すべり‐こ・む【滑り込む】

[動マ五(四)]
すべって中に入る。また、すべるようにしてそっと中へ入る。「布団に―・む」
野球で、走者がすべって塁に入る。「本塁に―・む」
きまった時刻にかろうじて間に合う。「発車まぎわに―・む」
[類語]駆け込む飛び込む転がり込む突っ込む躍り込む逃げ込む

ぬめり‐こ・む【滑り込む】

[動マ四]すべるようにして入り込む。すべり入る。
奥様になりに今日この内へ―・むのさ」〈浄・嫩軍記

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精選版 日本国語大辞典 「滑り込む」の意味・読み・例文・類語

すべり‐こ・む【滑込】

  1. 〘 自動詞 マ行五(四) 〙
  2. すべって中にはいる。すべるようにしてそっとはいる。するするとはいる。
    1. [初出の実例]「袖口の繻子のぬめりに見ほれけんすべりこんだる風の梅が香」(出典:人情本・春色梅児誉美(1832‐33)初)
    2. 「汽車は、木枯しのなかを、東北本線K駅のプラットホームへ、滑りこみつつあった」(出典:感情旅行(1955)〈中村真一郎〉七)
  3. 野球で、走者がタッチアウトをさけるためにすべって塁にはいる。
    1. [初出の実例]「走者は身軽にいでたち,敵の手の下をくぐりて基に達すること必要なり。危険なる場合には基に達する二間許り前より身を倒して辷り込むこともあるべし」(出典:松蘿玉液(1896)〈正岡子規〉七月二七日)
  4. やっとのことで時刻に間に合う。
  5. 取引市場で、相場が急に下落する。

ぬめり‐こ・む【滑込】

  1. 〘 自動詞 マ行四段活用 〙 すべり入る。するするとはいり込む。色めいてはいり込む。
    1. [初出の実例]「人々うきにういてぬめりこむ故にや、かくなづけけん」(出典:評判記・色道大鏡(1678)一三)

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