突っ込む(読み)ツッコム

デジタル大辞泉 「突っ込む」の意味・読み・例文・類語

つっ‐こ・む【突っ込む】

[動マ五(四)]《「つきこむ」の音変化》
勢いよく中へ入る。突入する。また、勢いよく入れる。「走者本塁に―・む」「バケツに手を―・む」

内面にまで深く入り込む。「労使の―・んだ話し合い」
㋑相手の弱みなどを鋭く追及する。「あいまいな説明をして野党に―・まれる」
漫才で、話題を切り出して相方応答を促す。「打ち合わせどおりに―・む」→突っ込み3
強くさし込む。突き入れる。「端子プラグを―・む」「泥田に足を―・む」
無造作に入れる。「汚れ物を押し入れに―・む」「ポケットに手を―・む」
深く関係をもつ。「社内人事に首を―・む」
全部のものを一緒に含めて考える。「中古品新品も―・んで値をつける」
[類語]駆け込む飛び込む転がり込む滑り込む躍り込む逃げ込む押し込む詰める詰め込む押し込める閉じ込める

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「突っ込む」の意味・読み・例文・類語

つっ‐こ・む【突込】

  1. ( 「つきこむ(突込)」の変化した語 )
  2. [ 1 ] 〘 他動詞 マ行五(四) 〙
    1. 勢いよく突入させる。突進させる。
      1. [初出の実例]「角(かく)を突込(ツッコ)めとお出なすったか。イヤ角を突込(ツッコ)めとお出なされたかっ」(出典滑稽本浮世風呂(1809‐13)前)
    2. 勢いよく入れる。また、すっぽりと入れる。
      1. [初出の実例]「替㮶杖を〈略〉右の脇に後の胴のすいた所へつっこんでおきなされよ」(出典:雑兵物語(1683頃)上)
    3. 全部のものをへだてなくいっしょにする。二つ以上のものをつき混ぜる。ならす。平均する。
      1. [初出の実例]「突込んで・木戸の子も出す寺小屋場」(出典:雑俳・五色墨(1809))
    4. なかに取り入れる。奥底まで入れる。特に、飲食物を腹中に詰めこむ。
      1. [初出の実例]「此二色のわけを能々ほて腹へつっこんでおけ」(出典:雑兵物語(1683頃)上)
    5. 弱点や問題の核心などを鋭く指摘して迫る。押し迫る。
      1. [初出の実例]「一本グット突込(ツッコ)まるると、跡は一言も梨の実の皮」(出典:当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉一〇)
  3. [ 2 ] 〘 自動詞 マ行五(四) 〙
    1. 勢いよく中にはいる。無理に押し入る。突進する。はいりこむ。
      1. [初出の実例]「また死ぬる真似をして、突(ツ)ッ込(コ)んで行けと教へるこなし」(出典:歌舞伎・傾城青陽𪆐(1794)大序)
    2. ものの内面に深くはいりこむ。一つのことに深くかかわりあう。また、弱点や核心に触れるようにする。
      1. [初出の実例]「これ太夫とっくりとききや、小いなもつっこんで聞てくれ」(出典:歌舞伎・傾城勝尾寺(1761)口明)
    3. 一段と深刻に演技する。転じて、ことさらに感情を込めた声で歌ったり呼んだりする。
      1. [初出の実例]「長唄も〈略〉松永は唯つっこむばかりで面白くもなんとも有りゃアしない」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一)
    4. めりこむ。落ちこむ。
    5. 取引市場で、相場が下落する。勢いに乗じて売り進む。安値にかまわず売りこむ。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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