滝之寺(読み)たきのじ

日本歴史地名大系 「滝之寺」の解説

滝之寺
たきのじ

[現在地名]熱田区白鳥町

旧称滝之坊。円融山中正院と称し、天台宗。本尊虚空蔵菩薩。もと古井こい(現千種区)にあったものを、天文二〇年(一五五一)に良温(天文二三年没)織田信秀助力でここに移した、と江戸時代の諸書は記すが、すでに連歌師宗長の「宗長手記」大永六年(一五二六)三月条に、熱田の滝之坊を旅宿として連歌会を興行したことがみえている。

<資料は省略されています>

続いて、天文一三年には宗牧もここで連歌会を興行するつもりであったが、ちょうど熱田大宮司千秋季光が濃州稲葉山で戦死したので遠慮したことが「東国紀行」にみえ、続いて紹巴は永禄一〇年(一五六七)八月二日ここを訪れて「宗長已来宿をせしに、滝坊にて」と記し、「宿かるもをばなが本の名残かな」と詠んでいる(富士見道記)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android