戦国時代の武将。尾張(おわり)国(愛知県)の出身。信定(のぶさだ)の子、信長(のぶなが)の父。初め弾正忠(だんじょうのちゅう)と称し、のち備後守(びんごのかみ)に改める。尾張国守護代である清洲(きよす)の織田大和守敏定(やまとのかみとしさだ)の三奉行(ぶぎょう)の一人で、初め勝幡(しょばた)城にいた。当時織田氏は、清洲の守護代家と岩倉城の織田伊勢守(いせのかみ)が互いに尾張半国を支配し勢力を競っていた。その間に三奉行の力が強くなり、信秀はやがて主家をしのぎ、居城を那古野(なごや)、古渡(ふるわたり)、末森(すえもり)へと移しながら、しだいに勢力を伸張させていった。1542年(天文11)駿河(するが)の今川義元(よしもと)と小豆坂(あずきざか)で戦い、さらに美濃(みの)の斎藤道三(どうさん)と戦い、両勢力の尾張進出の阻止を図った。しかし、44年には斎藤氏に大敗を喫し敗走するが、やがて子信長に道三の娘濃姫(のうひめ)を娶(めと)って和睦(わぼく)している。このように信秀は国外の敵とは活発に戦ったが、国内勢力の完全打倒はできなかった。だが信長の雄飛の基礎を築いたといえる。また伝統と権威を重んじ、伊勢外宮(げくう)に銭700貫、禁裏築地(きんりついじ)修理料として4000貫を献上するなど中央権力へも積極的に接近し、これにより後奈良(ごなら)天皇より綸旨(りんじ)と『古今集』が下賜された。天文(てんぶん)20年3月3日末森城で没した。法名桃厳道見、墓は万松寺(ばんしょうじ)(名古屋市中区)にある。没年については天文18年、同21年説もある。
[橋詰 茂]
(小和田哲男)
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戦国時代の武将。弾正忠信貞(定)の子。はじめ弾正忠,晩年は備後守と称する。その家は尾張清須に居した織田大和守家の庶流で,三奉行の一員。はじめ海東郡勝幡(しよばた)城,のち那古屋城に移り,さらに1534年熱田の北の古渡に城を築く。42年今川氏と三河小豆坂に戦って勝ち,48年には美濃の斎藤道三の女濃姫を子信長にめとって和議を結ぶなど,その勢力は隣国にまで及んだ。1543年には禁裏築地修理料4000貫文を献上。42歳で死去。なお,没年については49年,51年,52年と諸説ある。
執筆者:久留島 典子
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1511~52?.3.3
戦国期の武将。織田信長の父。尾張国を代表する実力者となり近隣の大名と戦った。尾張国守護代織田氏の一族でその家臣だったが,天文初年自立して那古野城(現,名古屋市)に拠り,以後東の今川氏・西の斎藤氏と戦った。1542年(天文11)・48年2度の今川氏との小豆坂(あずきざか)の戦,48年の斎藤道三の女と信長の政略結婚は有名。晩年那古野城を信長に譲り末盛城(現,同市)に拠った。没年については諸説ある。
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…斯波氏の分裂抗争とともに,織田氏も春日井郡清須城に拠り下四郡を領する一家と,丹羽郡岩倉城において上四郡を領する一家とに分裂し互いに争う。天文年間(1532‐55)になると,清須織田家の三奉行の一人織田信秀がしだいに力を強め,主家をしのいで隣国にまで勢力をのばすようになる。その子信長は1568年(永禄11)足利義昭を奉じて入京,室町幕府を再興する。…
…父は岡崎城主松平広忠,母は刈谷城主水野忠政の娘(於大の方(おだいのかた),法号伝通院(でんづういん))。広忠は駿河の大名今川義元の勢力下で尾張古渡(ふるわたり)城主織田信秀と対立していたが,その渦中で於大の方の兄水野信元が今川氏に背いて織田氏と結んだので,於大の方は3歳の竹千代を残して離別され,まもなく尾張阿古居城主久松俊勝に再嫁し,竹千代19歳のときまで会うことがなかった。 6歳のとき,人質として駿府の義元のもとへ行く途中を織田方に捕らえられて尾張に送られた。…
…戦国期の武家で,織田信秀の老臣。初名は清秀,中務丞と称した。…
※「織田信秀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
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