滴滴(読み)テキテキ

デジタル大辞泉 「滴滴」の意味・読み・例文・類語

てき‐てき【滴滴】

[名]
水などのしたたり。点々と落ちるしずく
「乳の如き―春潮に融けて流る」〈蘆花自然と人生
点々とあるようす。
「大きな銀杏墨汁を点じた様な―の烏が」〈漱石野分
[ト・タル][文][形動タリ]水などがしたたり落ちるさま。ぽたぽた。
「奥は―として水の滴るのを聞くばかりです」〈独歩・山の力〉

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精選版 日本国語大辞典 「滴滴」の意味・読み・例文・類語

てき‐てき【滴滴】

[1] 〘形動タリ〙 水のしずくなどが、したたり落ちるさま。水滴などが短い間隔をおいて続けて落ちるさま。
正法眼蔵(1231‐53)行持下「おつるなみだ滴滴こほる」
※山の力(1903)〈国木田独歩〉「滴々(テキテキ)として水の滴るのを聞くばかりです」 〔今孤楚‐賦山詩〕
[2] 〘名〙 水のしずくなどのしたたり。また、その痕跡
草枕(1906)〈夏目漱石〉一三「鮮やかな紅の滴々が、いつの雨に流されてか」

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普及版 字通 「滴滴」の読み・字形・画数・意味

【滴滴】てきてき

水滴がしたたる音。前蜀・閻選〔河伝〕詞 秋雨、秋雨 晝も無く夜も無し たり 霏霏(ひひ)たり 燈、涼(りやうてん) 離を怨む 妖(えうき)悲しみに(た)へず

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