( 1 )「無名抄」に「或人云く、あさりといひ、いさりといふは同じ事なり。それにとりて朝(あした)にするをばあさりと名づけ、夕(ゆふべ)にするをばいさりといへり。これ東の海士(あま)の口状なり」とある。ここで「いさり」を夕漁、「あさり」を朝漁とするのは、「いさり火」や「万葉集」の「朝には海辺にあさりし」〔九五四〕からの連想によるものであり、「夕なぎにあさりするたづ」〔一一六五〕によれば、朝夕に関わるのではないことがわかる。
( 2 )「いさり」は「沖辺をみればいさりする」〔三六二七〕などとあって海上の漁、「あさり」は磯や潟の漁で、むしろ「色葉和難抄」のいう「清(輔)云、あさりとはしほのひるまに、海士の浜に出て、砂子のなかを、あしにてほる様にして蛤をとるをいふなり」の方が当たっていよう。
磯や潟で貝を採る「あさり」に対して、舟で沖に出てする漁。平安以降は「いざり火の」「いざり舟」が、「火(ほ)」と掛けられた「ほのか」を導き出すことばとして夜中に燃え盛る恋情を表出するようになった。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新