潮汐説(読み)ちょうせきせつ(英語表記)tidal hypothesis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「潮汐説」の意味・わかりやすい解説

潮汐説
ちょうせきせつ
tidal hypothesis

1916年ジェームズ・H.ジーンズとハロルド・ジェフリーズが前後して唱えた太陽系起源論。イマヌエル・カントおよびピエールシモンラプラスの素朴な星雲説では,太陽系の諸特徴が説明できないことから,太陽が他天体と遭遇して惑星が生じたといういわゆる遭遇説が台頭し,潮汐説はその中軸であった。すなわち,他天体の引力によって,太陽表面に潮汐作用が起こり,惑星形成物質が放出されるという理論で,当時はきわめて有力視された。のちに惑星のもつ運動量がこの説では説明できなくなり,またそのような遭遇の起こる率があまりに小さいことから,1944年カルル・フリードリヒフォン・ワイゼッカーの提唱した乱流渦動説に道を譲った。近年では月の起源について潮汐説が取り上げられている。

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百科事典マイペディア 「潮汐説」の意味・わかりやすい解説

潮汐説【ちょうせきせつ】

1917年ごろJ.ジーンズとH.ジェフリーズが唱えた太陽系生成理論。原始太陽の近くを他の恒星が通過し,その起潮力により原始太陽から大量の物質が連続的に噴出し,それが凝集して惑星,衛星になったという。現在は信じられていない。

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改訂新版 世界大百科事典 「潮汐説」の意味・わかりやすい解説

潮汐説 (ちょうせきせつ)

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世界大百科事典(旧版)内の潮汐説の言及

【太陽系】より

…その後この星雲説に相対する遭遇説,捕獲説がいくつも現れたが,これらのすべてに共通の特徴は太陽が先に生まれその後で惑星がつくられたという主張である。遭遇説の代表的なものには微惑星説,潮汐説,連星説がある。カント=ラプラスの説から順を追って紹介しよう。…

※「潮汐説」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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