火焼・火焚・火炬(読み)ひたき

精選版 日本国語大辞典 「火焼・火焚・火炬」の意味・読み・例文・類語

ひ‐たき【火焼・火焚・火炬】

〘名〙
① 火をたくこと。また、火をたくことを職業とする人。
※西洋事情(1866‐70)〈福沢諭吉〉外「其父は〈略〉蒸気火焚きを業とし」
② 昔、家の内外を照らし、また警護するため、夜間にかがり火または庭火などをたいたこと。また、その役の人。
古事記(712)中「爾に其の御火焼(ヒタキ)老人、御歌に続ぎて歌曰ひしく」
③ 火をたく所。囲炉裏。《季・冬》 〔十巻本和名抄(934頃)〕
④ 昔、陰暦一一月八日に行なわれた神事。→おひたき
※雑俳・花もん日(1729)「ふいごやのひたきよろこぶとって子たち」
風呂屋で釜の火を焚くこと。また、その役の人。
談義本銭湯新話(1754)三「短いきせるで、二三服黒煙(くろけぶり)を立て、吸がらを己が居(すは)りし床の縁へはたきしさま、天晴湯屋の火焚(ヒタキ)哉」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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