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火耕水耨 かこうすいどうHuo-geng-shui-nou; Huo-kêng-shui-nung

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

火耕水耨
かこうすいどう
Huo-geng-shui-nou; Huo-kêng-shui-nung

中国,江南地方で行われた古代の水稲栽培法。後漢応劭 (おうしょう) の説によると,雑草を焼いて種をまき,稲が 24cm内外になったとき,稲と一緒に生えてきた雑草を刈取って水を注ぎ,これを枯死させる方法をいうが,明確な技術的内容に関してはまだ定説がない。

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世界大百科事典 第2版の解説

かこうすいどう【火耕水耨 huŏ gēng shuǐ nòu】

中国,古代の長江(揚子江)流域に行われた農法。漢武帝の前115年(元鼎2)の詔に,〈火もて耕し,水もて耨(くさき)る〉原始的農作業を示すものとして初見する。あまりに巧みな表現なので,江南の遅れた農法を包括的に表す名句として唐初まで使われたのであって,歴史的技術的に一義的な規定を与えることはできない。後漢の応劭の《漢書》注に従って,これを古い水稲農法とみるとしても,やはり一解釈の域を出ない。【勝村 哲也】

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

火耕水耨
かこうすいどう

漢、六朝(りくちょう)期の中国江南地方に行われたとされる農法。従来からさまざまな解釈があるが、その内容はよくわからない。後漢(ごかん)の応劭(おうしょう)は「草を焼き水を入れて稲を種(う)えると、草と稲とがともに成長する。その高さが7、8寸になったところで、ことごとく刈り取ってさらに水を灌(そそ)ぐと、草は死んで稲だけが成長する。いわゆる火耕水耨である」と解釈している。応劭自身がそれをいわゆる火耕水耨と述べるように、もっとも詳細な彼の解釈でさえ、その実態を表すものであるかどうか疑問が残る。晋(しん)の杜預(どよ)はそれを開墾地における農法とみなしているが、華北の先進畑作農法に比べて集約化の遅れた後進的な江南農業を古代中国人が象徴的に言明したものと考えるのが妥当であろう。[渡辺信一郎]
『西嶋定生著『中国経済史研究』(1966・東京大学出版会) ▽西山武一著『アジア的農法と農業社会』(1969・東京大学出版会)』

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