犬伏城跡(読み)いぬぶせじようあと

日本歴史地名大系 「犬伏城跡」の解説

犬伏城跡
いぬぶせじようあと

[現在地名]松代町犬伏 城山

犬伏集落の北西、標高三六五・五メートルの城山じようやまにある。六日町むいかまち(現南魚沼郡六日町)・十日町(現十日町市)方面から府中ふちゆう(現上越市)へ通じる道が、南の眼下渋海しぶみ川沿いに走る。渋海川や越道こえどう川が外堀の役目を果す。山頂の本丸跡は東西一二メートル、南北三二メートル。本丸より南方の二ノ丸には横井戸がある。集落北端に岡堀と称する長さ二四〇メートルの大規模な空堀がある。犬伏の集落全体が館跡と思われ、周囲を泥田堀・畝形阻塞・水堀によって内郭を囲む。暦応四年(一三四一)足利方の原田喜太郎の築城という。観応年間(一三五〇―五二)に南朝方の攻撃を受け、貞治年間(一三六二―六八)は上杉憲顕の家臣丸山弾正の居城(温古之栞)、上杉房能の代には清水采女正、謙信の代には大熊朝秀が城主であったと伝える。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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