犬小屋(読み)イヌゴヤ

デジタル大辞泉 「犬小屋」の意味・読み・例文・類語

いぬ‐ごや【犬小屋】

犬を飼うための小屋。また比喩的に、粗末で小さな家のこと。
江戸時代、第5代将軍徳川綱吉中野大久保などに作り、野犬を飼い養った小屋。→生類憐みの令
[補説]書名別項。→犬小屋

いぬごや【犬小屋】[書名]

向田邦子短編小説。昭和55年(1980)発表。同年、「かわうそ」「花の名前」とあわせ第83回直木賞受賞。

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精選版 日本国語大辞典 「犬小屋」の意味・読み・例文・類語

いぬ‐ごや【犬小屋】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 犬を入れておく小屋。
    1. [初出の実例]「犬小屋のような農家」(出典:野の花(1901)〈田山花袋〉六)
  3. ( 転じて ) 犬の住まいのように、小さくて粗末な家。
    1. [初出の実例]「子には襤褸(ぼろ)を下げさせ、家とては二畳一間の此様(こん)な犬子屋(イヌゴヤ)」(出典:にごりえ(1895)〈樋口一葉〉七)
  4. ことに、元祿年間(一六八八‐一七〇四)、戌(いぬ)年生まれの五代将軍綱吉が動物、特に犬を保護し、各町、また、江戸府外中野・大久保に奉行医師等を置いて、野犬五万余頭を飼い養った小屋の称。
    1. [初出の実例]「中野に犬小屋作事初て」(出典:日本財政経済史料‐一・財政・雑税・地税・元祿九年(1696)七月日)

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