向田邦子(読み)むこうだくにこ

日本大百科全書(ニッポニカ)「向田邦子」の解説

向田邦子
むこうだくにこ
(1929―1981)

放送作家、小説家。東京生まれ。実践女子専門学校(現、実践女子大学)国語科卒業。映画雑誌編集者のかたわらラジオやテレビの脚本を書くようになり、『森繁(もりしげ)の重役読本』(1962~1969)、『七人の孫』(1964)などで人気ライターとなる。1976年(昭和51)小説風な自伝的エッセイ『父の詫(わ)び状』(1976~1978)を発表、散文家としても注目されたが、1980年、連載の短編小説『花の名前』『かわうそ』『犬小屋』で直木賞を受けた。日常の些事(さじ)を描きながら人生の暗部をかいまみせる巧みな芸が期待されたが、翌1981年、台湾行中に飛行機事故で急逝。ほかに『寺内貫太郎一家』(1975)、『あ・うん』(1981)、『隣りの女』(1981)などの著がある。

[沖山明徳]

『『花の名前/他』(『思い出トランプ』所収・新潮文庫)』『『父の詫び状』(文春文庫)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「向田邦子」の解説

向田邦子
むこうだくにこ

[生]1929.11.28. 東京
[]1981.8.22. 台湾
放送作家,小説家。実践女子専門学校国語科卒業。映画雑誌編集のかたわらラジオ,テレビの台本執筆。 1964年から放映されたテレビドラマ『七人の』が大ヒットし,人気作家となった。以後時間ですよ』『だいこんの花』『寺内貫太郎一家』『阿修羅のごとく』など作品のすべてが高視聴率を記録。 79年から小説を書きはじめ,80年『花の名前』『かわうそ』『犬小屋』で直木賞受賞。『あ・うん』『隣りの女』 (ともに 1981) などにみえる鋭い人間観察で健筆ぶりを示した。そのほか『父の詫び状』 (78) などの随筆でも知られる。 81年台湾旅行中に飛行機事故のため没した。 83年すぐれた脚本に与えられる「向田邦子賞」が創設されている。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus「向田邦子」の解説

向田邦子 むこうだ-くにこ

1929-1981 昭和時代後期の小説家。
昭和4年11月28日生まれ。映画雑誌記者をへて放送作家となり,「時間ですよ」「阿修羅(あしゅら)のごとく」などのテレビドラマで高視聴率をえた。昭和55年「思い出トランプ」中の短編連作で直木賞受賞。台湾旅行中の航空機事故により,昭和56年8月22日死去。51歳。東京出身。実践女専卒。作品はほかに「父の詫び状」「あ・うん」など。

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百科事典マイペディア「向田邦子」の解説

向田邦子【むこうだくにこ】

脚本家,小説家。東京生れ。実践女子専門学校卒。雑誌編集記者を経て,テレビの脚本家として活躍。その後《花の名前》《犬小屋》《かわうそ》(いずれも1980年)の短編小説で第83回直木賞を受賞。主な作品に《父の詫び状》《眠る》《思い出トランプ》などがある。飛行機事故のため,台湾にて没。
→関連項目市川森一杉浦直樹高倉健

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デジタル大辞泉「向田邦子」の解説

むこうだ‐くにこ〔むかふだ‐〕【向田邦子】

[1929~1981]脚本家・小説家。東京の生まれ。脚本家として「七人の孫」「時間ですよ」など多数のヒット作を世に送り出す。その後、エッセー集や小説を発表し、人気を集めた。短編小説「花の名前」「かわうそ」「犬小屋」で直木賞受賞。他に「寺内貫太郎一家」「どきどき」、エッセー集「父の詫び状」など。

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世界大百科事典内の向田邦子の言及

【ホームドラマ】より

… こうしたホームドラマは,一見,身動きの取れぬマンネリズムに陥りそうに思えるが,上記のような大枠の中での〈細部の変奏〉はまったく自由であり,そのような多様な細部が,出演人気タレントのバラエティの魅力とともに,これまで多くの人々を楽しませてきた。また,近年活躍した橋田寿賀子(1925‐ ),山田太一(1934‐ ),向田邦子(1929‐81)といった第一線のシナリオライター(ちなみに,橋田は松竹脚本部の出身であり,山田は松竹で木下恵介の助監督をしていた)の諸作品にみられたように,ホームドラマは現実の家庭の人間関係の変貌や種々の社会的問題を,ある距離を置きながらも,その中に反映させて,同時代の身近なドラマとして〈茶の間〉の人気を保ち続けている。【川添 裕】。…

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