猪名野神社(読み)いなのじんじや

日本歴史地名大系 「猪名野神社」の解説

猪名野神社
いなのじんじや

[現在地名]伊丹市宮ノ前三丁目

江戸時代の伊丹郷町最北部の段丘端に立地する。敷地は同じく北少路きたしようじ村であったが(「正心調法記」武田家文書)、「摂津名所図会」などは伊丹天王てんのう町にありとする。祭神は猪名野坐大神(建速須佐之男命)ほか六柱。旧県社。宮・野々のの宮・牛頭天王宮・豊桜崎とよさくらさき宮とも称した(「野宮別当所旧記」猪名野神社旧蔵、「摂陽群談」「摂津名所図会」)。野々宮は猪名野の宮の略という(寛政八年「伊丹細見図」伊丹市立博物館蔵)有岡ありおか城のきしの砦があった所と推定され、境内有岡城跡の一部として国指定史跡。江戸時代には伊丹七郷持合いの氏神で、伊丹町(村)、北少路・昆陽口こやぐち・中少路・円正寺えんしようじ外城とじよう高畑たかはた外崎とざき・上外崎・下市場しもいちば大広寺だいこうじの伊丹郷町の村のほか、北河原きたがわら天津あまつ猪名寺いなでら(現尼崎市)の各村が氏子(正心調法記)

創建の年代は不詳で、文禄三年(一五九四)片桐且元検地の際には「勧請年暦不知」と届けたが、元禄五年(一六九二)の寺社改では金剛こんごう院の縁起を転用し、延喜四年(九〇四)開基と届けた(野宮別当所旧記)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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