猫舌(読み)ネコジタ

デジタル大辞泉 「猫舌」の意味・読み・例文・類語

ねこ‐じた【猫舌】

《猫が熱い食べ物を嫌うところから》熱い食べ物を口にできないこと。また、その人。

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精選版 日本国語大辞典 「猫舌」の意味・読み・例文・類語

ねこ‐の‐した【猫舌】

  1. 〘 名詞 〙
  2. キク科多年草本州の関東以西から九州の海岸砂地や崖に生える。茎は地表を長くはう。全体にごく細かい粗剛毛を密生。葉は対生し長さ三センチメートル内外の卵形、または楕円形両端はとがり、縁にまばらな鋸歯(きょし)がある。夏、径二センチメートル内外の黄色い頭花を枝の先につける。葉面がざらつく。
  3. 植物ふじまめ(藤豆)」の異名

ねこ‐じた【猫舌】

  1. 〘 名詞 〙 ( 猫が熱い食物を嫌うところから ) 熱いものを飲食することのできないこと。また、そのような舌や、その人。
    1. [初出の実例]「ねこじたもくふあつ物やねずみたけ」(出典:俳諧・山の井(1648)年中日々之発句)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「猫舌」の意味・わかりやすい解説

猫舌
ねこじた

加熱したものを熱いうちに食べるのは人間だけで、熱い食べ物を嫌うのはネコに限らないが、身近な動物を例として、一般に熱い食べ物に敏感すぎたり嫌うことを猫舌とよんでいる。

[柳下徳雄]

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世界大百科事典(旧版)内の猫舌の言及

【ネコ(猫)】より

…《浮世風呂》に〈おそれるほどなら湯も浴(あび)せず,小(ちつさ)くなつて屈(か)ゞ(ん)で居べいが,猫糞(ねこば)ゞで,しやアしやアまぢまぢだ〉とある。また〈猫舌(ねこじた)〉は,猫が熱い食物をきらうところから,熱いものを食べたり飲んだりすることができないことをいい,〈猫舌も有ると宿取り念を入れ〉という句もある。なお,マタタビは猫の好物として有名で,《貝おほひ》に〈さかる猫ハ気の毒たんとまたゝびや〉という句がある。…

※「猫舌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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