中国,宋末・元初の学者王応麟の著。200巻。玉は美称,海は無限に広いという意味で,梁の武帝の《金海》にならったもの。古代より宋に至る諸書より,さまざまな事項を分類記載した類書(一種の百科事典)で,宋代の文物制度に関する記事は,最も史料的価値が高く,宋の実録を始めとし,現在亡失している書物を多く引用している。内容は,天文・律暦・地理・帝学・聖文・芸文・詔令・礼儀・車服・器用・郊祀・音楽・学校・選挙・官制・兵制・朝貢・宮室・食貨・兵捷・祥瑞の21門より成り,もと官吏登用試験の参考書として編集されたものであるが,《冊府元亀》と共に,宋代研究に欠かせぬ基本史料である。また彼の《辞学指南》《漢芸文志攷証》《通鑑地理通釈》《小学紺珠》などの諸書も付載されている。
執筆者:福本 雅一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…《玉葉》という名称は兼実の父忠通の日記が《玉林》と称せられたことによるといわれる。なお,本日記は二条家では《玉海》と称せられていた。【新田 英治】。…
※「玉海」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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