玉海(読み)ギョクカイ(その他表記)Yù hǎi

デジタル大辞泉 「玉海」の意味・読み・例文・類語

ぎょくかい【玉海】

中国類書。200巻。王応麟の撰。古今文献にみえる事柄天文律暦・地理など21部門・240余項目に分類し収めたもの。
玉葉ぎょくよう」の異称

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精選版 日本国語大辞典 「玉海」の意味・読み・例文・類語

ぎょくかい【玉海】

  1. [ 一 ] 中国の類書。二〇〇巻。宋の王応麟撰。公用文や詩文作成の典故として、古今の文献に見える事柄を天文、律暦、地理以下二一部門、二四〇余項目に分類して収めたもの。宋代に関する記述史料として価値が高い。
  2. [ 二 ]ぎょくよう(玉葉)[ 二 ][ 一 ]」の別称

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改訂新版 世界大百科事典 「玉海」の意味・わかりやすい解説

玉海 (ぎょくかい)
Yù hǎi

中国,宋末・元初の学者王応麟の著。200巻。玉は美称,海は無限に広いという意味で,梁の武帝の《金海》にならったもの。古代より宋に至る諸書より,さまざまな事項を分類記載した類書(一種の百科事典)で,宋代の文物制度に関する記事は,最も史料的価値が高く,宋の実録を始めとし,現在亡失している書物を多く引用している。内容は,天文・律暦・地理・帝学・聖文・芸文・詔令礼儀・車服・器用・郊祀・音楽・学校・選挙・官制・兵制・朝貢・宮室食貨・兵捷・祥瑞の21門より成り,もと官吏登用試験の参考書として編集されたものであるが,《冊府元亀》と共に,宋代研究に欠かせぬ基本史料である。また彼の《辞学指南》《漢芸文志攷証》《通鑑地理通釈》《小学紺珠》などの諸書も付載されている。
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世界大百科事典(旧版)内の玉海の言及

【玉葉】より

…《玉葉》という名称は兼実の父忠通の日記が《玉林》と称せられたことによるといわれる。なお,本日記は二条家では《玉海》と称せられていた。【新田 英治】。…

※「玉海」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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