玉畹梵芳(読み)ぎょくえんぼんぽう

改訂新版 世界大百科事典 「玉畹梵芳」の意味・わかりやすい解説

玉畹梵芳 (ぎょくえんぼんぽう)
生没年:?-1420(応永27)

京都五山の建仁寺南禅寺住持をつとめた禅僧春屋妙葩(しゆんおくみようは)の法嗣で,玉畹は号。足利義持に重用されたがのちに離反し,投老庵を構え70余歳で近江隠棲示寂した。隠逸を好んだ文人的性格で,風月を友とし,鉄舟徳済(てつしゆうとくさい)とともに中国元代の画僧雪窓風の墨蘭図を得意とした。詩画軸への著賛をはじめ《蘭石図》(鹿王院)など多くの作品が現存する。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「玉畹梵芳」の解説

玉畹梵芳 ぎょくえん-ぼんぽう

1348-? 南北朝-室町時代の僧。
貞和(じょうわ)4=正平(しょうへい)3年生まれ。臨済(りんざい)宗。春屋妙葩(しゅんおく-みょうは)の法をつぎ,義堂周信に詩文をまなぶ。のち建仁(けんにん)寺,南禅寺の住持となる。将軍足利義持(よしもち)に重用されたが,応永27年(1420)怒りにふれて隠遁(いんとん)し,以後の消息は不明。水墨画をよくし,代表作に「蘭石図」「蘭蕙(らんけい)同芳図」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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