② フウロソウ科の多年草。日本全土および朝鮮、台湾の路傍や山野に生える。茎は地をはい、長さ三〇~七〇センチメートルになる。葉は長柄をもち対生。ふつう掌状に三~五裂し裂片の上部には鈍い鋸歯(きょし)があり、葉面には暗紫色の斑点がある。夏、葉腋(ようえき)から花茎を出し、白ないし紅紫色の小さな五弁花を一~二個ずつ付ける。果実は長さ一~二センチメートルのくちばし状で、熟すと下から五裂して種子をはじき飛ばす。茎、葉を煎(せん)じて飲めば大腸カタル、赤痢、胃潰瘍(いかいよう)などに効用があるとされる。漢名は牛扁で、牛児苗は誤用。みこしぐさ。ふうろそう。たちまちぐさ。つるうめそう。《 季語・夏 》 〔大和本草(1709)〕