コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

須磨都源平躑躅 すまのみやこげんぺいつつじ

2件 の用語解説(須磨都源平躑躅の意味・用語解説を検索)

世界大百科事典 第2版の解説

すまのみやこげんぺいつつじ【須磨都源平躑躅】

人形浄瑠璃時代物。5段。文耕堂長谷川千四の合作。1730年(享保15)11月4日(番付による)から大坂竹本座初演。《平家物語》《源平盛衰記》を題材としながら,直接には,謡曲《忠度(ただのり)》,近松門左衛門作の1686年(貞享3)7月《千載集》(作者推定),同年初冬《薩摩守忠度》,88年(元禄1)《念仏往生記》(作者推定,改題本《大原問答》《大原問答青葉笛》《須磨寺青葉笛》)などを先行作とする。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

須磨都源平躑躅
すまのみやこげんぺいつつじ

浄瑠璃義太夫(じょうるりぎだゆう)節。時代物。五段。文耕堂(ぶんこうどう)・長谷川千四(はせがわせんし)合作。1730年(享保15)11月大坂竹本座初演。『源平盛衰記』から一ノ谷合戦の熊谷(くまがい)・敦盛(あつもり)、薩摩守忠度(さつまのかみただのり)と岡部六弥太(ろくやた)の挿話を脚色。平家が都を須磨に置き、義経が躑躅谷に本陣を構えたことに、外題(げだい)の由来がある。歌舞伎(かぶき)化されて二段目「扇屋(おうぎや)」だけが後世に残り、1832年(天保3)西沢一鳳(いっぽう)が書き加えた「五条橋」の場をつけ、『源平魁(さきがけ)躑躅』『魁源平躑躅』などの外題で上演される。通称「扇屋熊谷」。平家都落ちで、無官太夫敦盛が扇屋上総(かずさ)の家に折子(おりこ)の小萩(こはぎ)と名のり女装してかくまわれていると、姉輪平次(あねわのへいじ)が詮議(せんぎ)にくるが、おりから訪れた熊谷直実(なおざね)の情けと、敦盛を恋慕する上総の娘桂子(かつらこ)の身替りによって救われる。女装の敦盛と桂子との同性愛的な色模様と熊谷の豪快な演技が見もので、熊谷・敦盛が再会を約して別れる「五条橋」は舞踊劇風の様式美が眼目。[松井俊諭]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) この辞書の凡例を見る
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典内の須磨都源平躑躅の言及

【源平合戦物】より

…今日上演される主要な作品を争乱の経過に沿って挙げていけば,まず保元・平治の乱関係では,浄瑠璃《源氏烏帽子折》や常磐津の所作事《恩愛瞔関守(おんないひとめのせきもり)》(通称《宗清》),また,頼朝,義経,義仲の挙兵をめぐっては,人形浄瑠璃に《鬼一法眼(きいちほうげん)三略巻》《源平布引滝》,歌舞伎に《梶原平三誉石切(ほまれのいしきり)》(原作は人形浄瑠璃《三浦大助紅梅靮(みうらのおおすけこうばいたづな)》),《大商蛭子島(おおあきないひるがこじま)》《那智滝祈誓文覚(ちかいのもんがく)》などがある。ついで《平家物語》と関連の深いものとしては,俊寛,清盛の対立を主題とする《平家女護島(によごのしま)》,義仲の最期をめぐる《ひらかな盛衰記》,一ノ谷の合戦にからめた《須磨都源平躑躅(すまのみやこげんぺいつつじ)》《一谷嫩軍記(ふたばぐんき)》,屋島の合戦をとりあげた《那須与市西海硯》などの浄瑠璃諸曲があり,さらに平家滅亡後の時期のものには,兄の頼朝に追われる悲運の義経に焦点を合わせた浄瑠璃《御所桜堀川夜討》や能を歌舞伎舞踊化した《船弁慶》のほか,戦死したはずの平家の武将たちが実は生きながらえていたという奇警な構想を展開させた浄瑠璃《義経千本桜》等々,本系列における代表的な傑作が多数生み出されている。なお,屋島の合戦に活躍した平家方の勇士景清を主人公とする歌舞伎の《錣引(しころびき)》以下,その敗北後のさまを描いた浄瑠璃《壇浦兜軍記》《嬢景清八島日記(むすめかげきよやしまにつき)》や歌舞伎十八番の《景清》など一群の作品もこの系統に属するものといえよう。…

【文耕堂】より

…その後は再び竹本座で著作を続け,24曲ほどを書いた。初期は長谷川千四との合作が多く,30年の《三浦大助紅梅靮》,同じく《須磨都源平躑躅(すまのみやこげんぺいつつじ)》,31年9月の《鬼一法眼三略巻(きいちほうげんさんりやくのまき)》,32年9月の《壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき)》などがあり,現在も人形浄瑠璃,歌舞伎ともに上演されることが多い。ほかに,三好松洛との合作として36年(元文1)5月の《敵討襤褸錦(かたきうちつづれのにしき)》,37年1月の《御所桜堀川夜討(ごしよざくらほりかわようち)》,38年1月の《行平磯馴松(ゆきひらそなれまつ)》がある。…

※「須磨都源平躑躅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
All Rights Reserved. Copyright (C) 2015, Hitachi Solutions Create,Ltd. 収録データは1998年10月に編集製作されたものです。それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。また、本文中の図・表・イラストはご提供しておりません。

須磨都源平躑躅の関連キーワード人形浄瑠璃文耕堂壇浦兜軍記操り浄瑠璃浄瑠璃狂言浄瑠璃座淡路人形浄瑠璃松田文耕堂三浦大助紅梅靮内海繁太郎

今日のキーワード

信長協奏曲(コンツェルト)

石井あゆみによる漫画作品。戦国時代にタイムスリップした現代の高校生が病弱な織田信長の身代わりとして生きていく姿を描く。『ゲッサン』2009年第1号から連載開始。小学館ゲッサン少年サンデーコミックス既刊...

続きを読む

コトバンク for iPhone