デジタル大辞泉 「現心」の意味・読み・例文・類語 うつつ‐ごころ【▽現心】 1 《夢うつつの心の意から》夢見るような気持ち。うつろな心。「はや七分の正気を失って、何どこが何なにやら一向―で」〈紅葉・二人女房〉2 しっかりした気持ち。正気。「肝魂も消え果て―なし」〈盛衰記・六〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「現心」の意味・読み・例文・類語 うつつ‐ごころ【現心】 〘 名詞 〙① 気持がしっかりと定まっている状態。本心。正気。[初出の実例]「うちいでぬることの葉のすゑ、うつつ心なき事に侍ども」(出典:ささめごと(1463‐64頃)上)② ( 夢うつつの意から ) 気持がしっかりと定まっていない状態。うつろな心。夢見心地。[初出の実例]「若鮎やうつつ心に石の肌〈青流〉」(出典:俳諧・住吉物語(1695か)下)「何(どこ)が何やら一向窹心(ウツツゴコロ)で、二階まで伴(つ)れられたが」(出典:二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉下) うつし‐ごころ【現心】 〘 名詞 〙① 現実の心。正気。確かな心。[初出の実例]「うつせみの宇都思情(ウツシごころ)もわれは無し妹を相見ずて年の経ぬれば」(出典:万葉集(8C後)一二・二九六〇)「うつし心なく酔ひたる者に候。まげて許し給はらん」(出典:徒然草(1331頃)八七)② 本心。[初出の実例]「いで人は言(こと)のみぞよき月草のうつし心は色ことにして〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)恋四・七一一) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例