琴線(読み)キンセン

デジタル大辞泉 「琴線」の意味・読み・例文・類語

きん‐せん【琴線】

琴の糸。
心の奥深くにある、物事感動・共鳴しやすい感情を琴の糸にたとえていった語。「心の琴線に触れる言葉
[補説]2は、「琴線にれる」で成句となり、良いものに感銘を受ける意で使う。近年は、誤って、不愉快になる意で用いることがあるが、その意味では「気に障る」「しゃくに障る」などの表現がある。→琴線に触れる[補説]

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「琴線」の意味・読み・例文・類語

きん‐せん【琴線】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 琴やバイオリンなど、弦楽器の糸。
    1. [初出の実例]「つよく張った琴線の一部丈がきらきらと白く眼に映ります」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉一一)
  3. ( 物事に感動する心情を琴の糸にたとえていう ) 人間の心の奥深くにある感じやすい心情。感動し共鳴する心情。
    1. [初出の実例]「当時火の如かりし自由の理想を詠出し、永く民心の琴線に触れしめたる者あらず」(出典:抒情詩(1897)独歩吟〈国木田独歩〉序)

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