環状AMP(読み)かんじょうエーエムピー

  • cyclic AMP
  • かんじょうエーエムピー〔クワンジヤウ〕
  • 環状AMP cyclic AMP

百科事典マイペディアの解説

サイクリックAMPともいい,cAMPと略記。アデニル酸シクラーゼという酵素によってATPからつくられ,ホスホジエステラーゼによって分解される。生物体のホルモンは血液とともに循環しているが,あるホルモンがある組織にだけ作用するのは,そのホルモンに結合するような受容体(レセプタ)が特定の組織の細胞にだけ存在するからである。特に各種のペプチドホルモンとアドレナリンの場合は,その受容体は細胞膜にあって細胞内には入らないが,ホルモンが受容体に結合すると連動したアデニル酸シクラーゼが活性化され,ATPからcAMPがつくられる。cAMPは各種のプロテインキナーゼに作用して細胞内の酵素をリン酸化し,その活性を調節する。つまりホルモンの作用は,ホルモン→受容体→アデニル酸シクラーゼ→cAMP→細胞内の諸酵素という経路をとっている。したがってホルモンが第1次メッセンジャーであるのに対し,cAMPは第2次メッセンジャーと呼ばれている。
→関連項目環状GMPサザランド

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

(化学式)サイクリックAMPともいう。cAMPと略記する。3′,5′‐cAMPと2′,3′‐cAMPの2種類が知られている。正式名称はサイクリックアデノシン‐3′,5′(または2′,3′)‐一リン酸。2′,3′‐cAMPはRNA加水分解の際に,中間体として生成する物質で,代謝調節に関与する3′,5′‐cAMPが生理的にはより重要性が高い。このため単にcAMPと表記すれば普通は後者を指す。エピネフリンおよびグルカゴンの血糖値上昇作用(グリコーゲン分解促進作用)の発現にあたって重要な働きをする物質であることが,サザランドE.W.SutherlandとロールT.W.Rallによって見いだされ(1957),一躍脚光を浴びた。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

世界大百科事典内の環状AMPの言及

【グリコーゲン】より

…これらのホルモンは血糖値を上昇させる働きがあるが,その理由はグリコーゲン分解の促進,合成の抑制に求められる。これらのホルモンは細胞膜に作用して環状AMP(cAMP)の合成を促進する。そして,環状AMPはタンパク質のリン酸化をつかさどる酵素を活性化するのである。…

※「環状AMP」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

オーバーシュート

感染症の爆発的な感染拡大を指す。語源は、「(目標を)通り越す」「(飛行機などが停止位置を)行き過ぎる」という意味の英語の動詞「overshoot」。2019年12月に発生した新型コロナウイルスに関して...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android