瓠花(読み)ヒサゴバナ

デジタル大辞泉 「瓠花」の意味・読み・例文・類語

ひさご‐ばな【×瓠花】

1の花。
上代、15、6歳の少年が、瓠の花にかたどった髪を額に束ねた髪形
年少児わらはみこの年十五、六の間は―す」〈崇峻紀〉
瓠の花にかたどった造花髪飾りとし、左右に分かれてする相撲右方目印とした。
「皆相撲の装束し、―かざしなど」〈宇津保・内侍督〉
波の白く立つようすをいう語。
「沖に―といへるものの立ちけるを見て」〈散木集

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精選版 日本国語大辞典 「瓠花」の意味・読み・例文・類語

ひさご‐ばな【瓠花・瓢花】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 瓠の花。瓢箪(ひょうたん)などの花。《 季語・夏 》
  3. 上代の一五、六歳の少年の髪形の一つ。瓠の花の形にかたどって、額で束ねたもの。
    1. [初出の実例]「廐戸皇子、束髪於額(ヒサコハナ)して、〈古き俗(ひと)、年少児(わらは)の年、十六の間は、束髪於額(ヒサコハナ)〉」(出典日本書紀(720)崇峻即位前(図書寮本訓))
  4. 瓠の花にかたどった造花。平安時代、相撲の際に左右を区別するしるしとして、右方の者が髪にさした。
    1. [初出の実例]「みな相撲の装束し、ひさご花かざしなど」(出典:宇津保物語(970‐999頃)内侍督)
  5. 波の白く立つさまをいう。
    1. [初出の実例]「高砂にて風いたく吹ければ、沖にひさごばなといへるもののたちけるを見て」(出典:散木奇歌集(1128頃)羇旅)

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