デジタル大辞泉 「生やす」の意味・読み・例文・類語 はや・す【生やす】 [動サ五(四)]《「栄やす」と同語源》1 生えるようにする。生えて伸びた状態にする。「ひげを―・す」「根を―・す」2 「切る」の忌み詞。「御髪をもめされず、御爪も―・させ給はず」〈保元・下〉[可能]はやせる[類語]生える・生え変わる おや・す【▽生やす】 [動サ四]1 生えさせる。はやす。「若き時尼になりて、後悔して男をして髪を―・し」〈伽・富士の人穴草子〉2 陰茎を勃起ぼっきさせる。「馬めがかの物を―・して」〈咄・きのふはけふ・上〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「生やす」の意味・読み・例文・類語 おや・す【生】 〘 他動詞 サ行四段活用 〙 ( 「おえる(生)」の他動詞形 )① はえるようにする。はやす。おやかす。また、生み出す。成長させる。[初出の実例]「髪の長さ百ぢゃうばかりにおやして」(出典:御伽草子・富士の人穴草子(室町時代小説集所収)(室町末))② 陰茎を勃起させる。おやしたてる。おやかす。[初出の実例]「馬めが、かの物をおやしてをりけるを」(出典:咄本・昨日は今日の物語(1614‐24頃)上)③ 歌舞伎の下座音楽で、役者の声が聞こえるように弱い音で演奏していた楽器の音をもとのように強くする。会話が終わった時などに用いるもので、おもに三味線に対していう。⇔霞(かす)める はや・す【生】 〘 他動詞 サ行五(四) 〙 ( 「はやす(栄)」と同語源 )① 生えるようにする。おい立たせる。成長させる。伸ばす。[初出の実例]「もりをはやしたらむごとくめぐりておひつらなれり」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)「わがいほは鷺にやどかすあたりにて〈野水〉 髪はやすまをしのぶ身のほど〈芭蕉〉」(出典:俳諧・冬の日(1685))② ( 「切る」ということを忌んで逆にいう語 ) 切る。[初出の実例]「其後は御つめをもはやさず、御髪をもそらせ給はで」(出典:保元物語(1220頃か)下)「びんのかみを一ふさはやいておとりあり」(出典:説経節・さんせう太夫(与七郎正本)(1640頃)下) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例