食事、清掃、移動、コミュニケーションなどで、人の生活を支援する活動ができるロボット。パーソナルケアロボットやサービスロボットともいう。
生活支援ロボットには、おもに以下の五つの種類がある。(1)コミュニケーション型 ヒューマノイドや動物の形状をしたものを中心に、ペットのかわり、あるいは医療福祉施設でセラピーを目的に活動するものなど。(2)移動型 移動型には操縦中心型と自律中心型の2種類がある。操縦中心型は、手の不自由な人が体の一部を動かすだけで食事を口に運んで一人で食べられるようにするものや、筋ジストロフィーなどの患者の指先の動きを感知して行動を支援するもの。自律中心型はロボット自体の自己制御によって動くことができ、掃除や警備、道案内など、ある程度、自分の置かれている状態を判断し、適切に行動できるもの。(3)アシスト型(人間装着型) 装着した人の体の動きを補助し、身体的な衰えを補ったり、人の作業量の負担を軽減したりできるもの。たとえば、障害のある足腰に装着して機能訓練を補助するリハビリロボットや、介護者の負担を減らすことができる介助用ロボットなど。(4)搭乗型 病気の人や歩けない人、あるいは広い敷地を効率的に移動するためなど、車椅子(いす)のように乗るだけで移動ができるもの。(5)汎用(はんよう)型 特定の目的のためにつくられたロボットではなく、人のパートナーとして生活全般を支援するもの。
さまざまな生活支援ロボットの開発が進められており、介護や福祉の現場で高い需要が見込まれているものも多い。しかし、人との接触度の高いロボットでは安全性を確保する基準やルールが十分でなく、普及へと踏み込めない状態にあった。そこで、経済産業省は2009年度(平成21)から生活支援ロボットの実用化に向けた実証研究を進め、2010年には生活支援ロボットの安全性検証を行う施設、生活支援ロボット安全検証センター(茨城県つくば市)を設立した。国際標準化機構(ISO)は、この成果をもとにした経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による生活支援ロボットの安全性に関する提案を採用し、2014年2月に生活支援ロボットの安全性に関する国際標準化規格ISO13482を日本の規格をベースに策定した。ISO13482には、前記の移動型、アシスト型、搭乗型の三つの規格が設けられる。
[編集部]
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