生物リズム(読み)せいぶつリズム(英語表記)biological rhythm

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「生物リズム」の意味・わかりやすい解説

生物リズム
せいぶつリズム
biological rhythm

生物に生れつき備わっている自律的変動周期をいう。たとえば心拍数呼吸運動,またヒトが朝起きて夜眠るといった1日周期の変化 (概日リズム) や女性の月経,あるいは動物にみられる冬眠などである。ある種の生物リズムは,環境サイクルに同調して起るようにみえるが,温度や明るさなどを一定に保った恒常環境のもとでもヒトが約 25時間前後の周期で生活することや,ジリスが約1年周期で冬眠に入ることなどが実験からわかっており,こうした生物リズムは遺伝的に備わったものと考えられている。生物リズムのなかでも特に環境サイクルに近い周期のリズムを扱うのが時間生物学であり,時差ぼけ解明投薬のタイミングなどヒトの実生活に役立つ成果をあげつつある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

放射冷却

地表面や大気層が熱を放射して冷却する現象。赤外放射による冷却。大気や地球の絶対温度は約 200~300Kの範囲内にあり,波長 3~100μm,最大強度の波長 10μmの放射線を出して冷却する。赤外放射...

放射冷却の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android