用捨箱(読み)ヨウシャバコ

デジタル大辞泉 「用捨箱」の意味・読み・例文・類語

ようしゃばこ【用捨箱】[書名]

江戸後期の随筆。3巻。柳亭種彦著。天保12年(1841)刊。51条からなり、主として近世初期の風俗習慣を考証したもの。

ようしゃ‐ばこ【用捨箱】

箱の中を仕切って必要な文書用済みの文書を区分けして入れるようにしたもの。
[補説]書名別項。→用捨箱

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精選版 日本国語大辞典 「用捨箱」の意味・読み・例文・類語

ようしゃ‐ばこ【用捨箱】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 用のある手紙と用の済んだ手紙とを区分けして入れるように、中に仕切りを設けた箱。
    1. [初出の実例]「御小姓の殿に紅粉さす用捨箱」(出典:雑俳・村雀(1703))
  2. [ 2 ] 江戸後期の随筆。三巻。柳亭種彦著。天保一二年(一八四一)刊。市井の風俗・慣習に関する考証を主とした五一条を集録。古俳書を引き、江戸初期の古書画類の模写図を入れるなどにより、江戸初期の風俗を精細に活写した考証随筆。

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改訂新版 世界大百科事典 「用捨箱」の意味・わかりやすい解説

用捨箱 (ようしゃばこ)

江戸後期の考証随筆。柳亭種彦著。1841年(天保12)刊。3巻3冊。〈俳諧用捨箱〉の外題を付した後摺本もある。近世初期の市井の風俗や言語などについての考証が大部分。上巻14条,中巻19条,下巻17条と追考2条から成る。ほとんど刊年の明確な俳書を援用して実証し,また古版本の挿絵や古画を模写,透写して多数載せて画証としており,所説に信憑性が高い。引用資料中には現存不明のものもあり,資料的価値も高い。
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