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柳亭種彦 りゅうていたねひこ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

柳亭種彦
りゅうていたねひこ

[生]天明3(1783).5.12. 江戸
[没]天保13(1842).7.19. 江戸
江戸時代後期の合巻 (ごうかん) 作者。本名,高屋彦四郎知久。号,偐紫楼 (げんしろう) 。旗本小普請組二百俵取りの武士。若い頃から芝居を好み,声色が巧みであった。文化4 (1807) 年に読本の創作を始めたが成功せず,同8年に合巻に筆を染めて以来本領を発揮,合巻界の第一人者となった。

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デジタル大辞泉の解説

りゅうてい‐たねひこ〔リウテイ‐〕【柳亭種彦】

[1783~1842]江戸後期の戯作者。江戸の人。本名、高屋知久(たかやともひさ)。通称、彦四郎。食禄二百俵の旗本。初め読本(よみほん)を発表。のち合巻(ごうかん)に転じ、「偐紫(にせむらさき)田舎源氏」で好評を博したが、天保の改革によって絶版処分を受ける。他に草双紙「邯鄲(かんたん)諸国物語」、洒落本「山嵐」、考証随筆「還魂紙料(すきかえし)」「用捨箱」など。

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百科事典マイペディアの解説

柳亭種彦【りゅうていたねひこ】

江戸後期の合巻,読本作者。本名高屋彦四郎知久。別号偐紫楼(げんしろう)など。幕府御家人烏亭焉馬(えんば)に師事,初め読本に志し,のち合巻に転向。《正本製(しょうほんじたて)》など歌舞伎浄瑠璃に取材した作品で人気を得,長編合巻流行の端を開いたが,《偐紫田舎源氏(にせむらさきいなかげんじ)》が幕府のとがめを受け,その直後死去。
→関連項目山家鳥虫歌

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朝日日本歴史人物事典の解説

柳亭種彦

没年:天保13.7.19(1842.8.24)
生年:天明3.5.12(1783.6.11)
江戸時代の合巻作者。源姓,高屋氏。名は左門,主税。通称は彦四郎,別号は偐紫楼,足薪翁,愛雀軒,浅草閑人。狂名は柳風成,心種俊。旗本高屋甚三郎知義の長男として江戸に生まれ,下谷御徒町の御先手組屋敷で育つ。寛政8(1796)年家督を相続。若いころ唐衣橘洲 に狂歌を学ぶ。文化初年(1804年頃)より戯作活動に入り,烏亭焉馬門人を称し,宿屋飯盛(石川雅望)とも交際があった。文化4(1807)年,読本『奴の小まん』で戯作界に登場。古い演劇の趣向を用いた『浅間岳面影草紙』(1809)などの後続作を出すが,曲亭馬琴,山東京伝らには伍しえず,『鱸包丁青砥切味』(1811)を期に合巻に転向し,歌舞伎の演出や舞台構成を巧みに用いた『正本製』(1815)で作者の地位を確立する。以後,この作の画者歌川国貞と組んで中・短編の合巻の佳作を文化末から文政へかけて刊行した。そして馬琴が中国長編小説の翻案という読本の手法を合巻に取り入れた『傾城水滸伝』で好評を博すと,自らは日本の古典の代表作『源氏物語』に材をとった『偐紫田舎源氏』を発表,大好評を得て,合巻界の第一人者となった。一方,考証家としても『還魂紙料』(1826)や『用捨箱』(1841)などのすぐれた考証随筆を残している。天保13(1842)年,天保の改革で筆禍を得,『田舎源氏』は絶版,種彦も間もなく病没した。門人の笠亭仙果によると,その人となりは下戸で真面目で麦飯を好んだという(『よしなし言』)。<参考文献>森銑三「柳亭種彦」(『森銑三著作集』1巻)

(園田豊)

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江戸・東京人物辞典の解説

柳亭種彦

1783〜1842(天明3年〜天保13年)【戯作者】浮世絵師国貞と組んだ『偐紫田舎源氏』が大人気に。 戯作者。旗本で本名は高屋彦四郎知久といった。浮世絵師歌川国貞と提携し、草双紙の一種合巻の第一人者となった。代表作の『偐紫田舎源氏』は、歌舞伎、浄瑠璃の当時人気の芝居を脚色し、演じる役者、舞台そのままの挿絵をつけたもの。舞台を見る機会の少ない家庭の婦女子の間で大評判となった。しかし、天保の改革で風俗をあやまつものとして版木没収となり、失意のうちに間もなく病死した。

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世界大百科事典 第2版の解説

りゅうていたねひこ【柳亭種彦】

1783‐1842(天明3‐天保13)
江戸後期の合巻(ごうかん)・読本(よみほん)作者。本名は高屋彦四郎知久。別号は偐紫楼(げんしろう)・足薪翁(そくしんおう)・愛雀軒,狂名に柳風成(やなぎのかぜなり)・心種俊(こころのたねとし),川柳号木卯,法名芳寛院殿勇誉心禅居士。江戸の人。小普請組に属する食禄200俵の幕臣。はじめ唐衣橘洲(からごろもきつしゆう)に師事して狂歌をたしなむ。このときの狂名の心種俊と通称の彦四郎とを取り合わせて人が〈種の彦どの〉と呼んだのが,戯作者号種彦の由来である。

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大辞林 第三版の解説

りゅうていたねひこ【柳亭種彦】

1783~1842) 江戸後期の戯作者。本名は高屋知久、通称は彦四郎。別号を偐紫楼げんしろう・足薪翁など。幕臣。「鱸庖丁青砥切味すずきぼうちようあおとのきれあじ」以降草双紙を多く著し、「偐紫田舎源氏にせむらさきいなかげんじ」で好評を得た。先行文学を翻案脱化して演劇趣味を加えた柔軟な文章で、合巻ごうかんの第一人者。考証随筆も多い。著「用捨箱ようしやばこ」「正本製しようほんじたて」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

柳亭種彦
りゅうていたねひこ
(1783―1842)

江戸後期の読本(よみほん)・合巻(ごうかん)作者。本名高屋知久(ともひさ)、通称彦四郎、別号は偐紫楼(げんしろう)、足薪翁(そくしんおう)など。代々幕府に仕え、小普請(こぶしん)組に属する食禄(しょくろく)200俵の旗本で、若年から絵画、狂歌、俳諧(はいかい)をたしなみ、ことに芝居通で役者の声色に巧みであったといわれ、当時の趣味的生活を満喫した武家出身の代表的戯作(げさく)者であった。1807年(文化4)読本『阿波之鳴門(あわのなると)』以下3作を発表して世に出るが、読本作者としてはかならずしも高い評価を得ることなく、やがて1811年に合巻初作『鱸庖丁青砥切味(すずきほうちょうあおとのきれあじ)』を出して以来合巻に新境地を開く。とくに役者似顔絵の名人歌川国貞(くにさだ)と提携し、戯曲風に構成された『正本製(しょうほんじたて)』(1815~1831)、『偐紫田舎源氏(にせむらさきいなかげんじ)』(1829~1842)などによって不動の名声を得た。歌舞伎(かぶき)の情調に複雑な趣向の変化を盛り込み、義理に重きを置く勧善懲悪の思想で貫かれ、こうした読本の平俗大衆化が読者に広く支持されるところであった。戯作のかたわら、『用捨箱(ようしゃばこ)』(1841)、『還魂紙料(すきかえし)』(1826)などの風俗考証の名著も残している。1842年(天保13)、おりからの天保(てんぽう)の改革にあたって、『田舎源氏』が大奥を写したとの風評がたち絶版を命じられ、憂悶(ゆうもん)のあまり発病して、7月19日没。一説には自殺とも伝えられる。赤坂一ツ木の浄土寺に葬られる。没後門弟の笠亭仙果(りゅうていせんか)が2世を継いだ。[棚橋正博]
『伊狩章著『柳亭種彦』(1965・吉川弘文館)』

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世界大百科事典内の柳亭種彦の言及

【還魂紙料】より

…江戸後期の考証随筆。柳亭種彦著。為一(葛飾北斎)画(若干図)。…

【正本製】より

…12編。柳亭種彦作,歌川国貞画。1815‐31年(文化12‐天保2)刊。…

【偐紫田舎源氏】より

…合巻。柳亭種彦著,歌川国貞画。1829‐42年(文政12‐天保13)刊。…

【用捨箱】より

…江戸後期の考証随筆。柳亭種彦著。1841年(天保12)刊。…

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