田中豊益(読み)たなかのとよます

日本大百科全書(ニッポニカ) 「田中豊益」の意味・わかりやすい解説

田中豊益
たなかのとよます

平安時代後期の大名田堵(たと)。『新猿楽記(しんさるがくき)』(藤原明衡(あきひら)作?)に登場する創作上の人物。その名は農業経営の専門家であることを示す仮名。出羽権介(でわごんのすけ)という肩書をもち、「春は一粒をもて地面に散らすといへども、秋は万倍をもて蔵の内に納」め、官(国衙(こくが))に上納するにおいては、「いまだ束把合夕(そくはごうしゃく)の未進(みしん)を致」すことのない理想的な田堵像として描かれている。創作上の人物とはいえ、当時の田堵の理念型を示すものとして注目すべき人物像である。

[渡辺正樹]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「田中豊益」の解説

田中豊益 たなかの-とよます

藤原明衡(あきひら)作の「新猿楽記(しんさるがくき)」の登場人物。
出羽権介(でわのごんのすけ)の肩書をもつ。公領荘園田地耕作をうけおう農業経営の専門家(田堵(たと))のひとり。大名田堵といわれる「数町の戸主(へぬし)」で,作物の収穫量がおおく,上納の期限におくれがないなど,田堵の理想的な姿としてえがかれている。

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