男手(読み)オトコデ

デジタル大辞泉 「男手」の意味・読み・例文・類語

おとこ‐で〔をとこ‐〕【男手】

男の労力。また、男の働き手。「男手だけで育てる」「男手が欲しい」⇔女手
男の書いた文字。男の筆跡男文字。⇔女手
《昔、男が多く用いたところから》漢字真名まな。男文字。⇔女手
「―も女手も習ひ給ふめれ」〈宇津保・国譲上〉

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精選版 日本国語大辞典 「男手」の意味・読み・例文・類語

おとこ‐でをとこ‥【男手】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 男の筆跡。男の書いた文字。男文字。男の手。⇔女手
  3. ( 男が多く使ったところから ) 漢字。男文字。まな。男の手。⇔女手
    1. [初出の実例]「そのつぎにをとこで、はなちがきに書きて」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲上)
  4. 男のはたらき手。男子労働力。男の手。⇔女手
    1. [初出の実例]「男手にたたむもかなし夜着ふとん」(出典:俳諧・麦林集(1716‐36頃)六)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「男手」の意味・わかりやすい解説

男手
おとこで

女手の対で,男の用いる文字の意。本来,漢字そのもの (真名〈まな〉) をさし,女手のかなと対立して用いられた。のちには,漢字を用法上かなとして用いた万葉がな (真仮名) の楷・行体をさすようになり,その草体 (草仮名) としての女手と対立して用いられるようになった。

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世界大百科事典(旧版)内の男手の言及

【書体】より

…漢字を真名ということから,この名がある。奈良時代は楷書にほぼ近い形で使用され,これを男手(おとこで),真仮名と称した。平安時代に女性がそれらを草書にして用い,現在の平仮名にみるような略体ができた。…

※「男手」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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