畜産草地研究所(読み)ちくさんそうちけんきゅうしょ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「畜産草地研究所」の意味・わかりやすい解説

畜産草地研究所
ちくさんそうちけんきゅうしょ

農業・食品産業技術総合研究機構傘下に置かれていた研究所。現在は同機構の研究部門の一つ(畜産研究部門)となっている。前身農林水産省付属の畜産試験場および草地試験場で、両試験場は2001年(平成13)4月に、農林水産省の国立試験研究機関の独立行政法人化に伴い発足した農業技術研究機構のもとに統合され、畜産草地研究所と名称変更された。

 畜産試験場の前身は1900年(明治33)広島県に設置された七塚原種牛(ななつかはらしゅぎゅう)牧場で、その後種畜牧場と改称された。1916年(大正5)畜産の発展に対応し、農商務省内に畜産試験場が設けられ、翌1917年千葉市において独立の研究機関としての活動を開始した。1980年(昭和55)筑波研究学園都市の農林研究団地内に移転した。企画連絡室のほかに研究部、研究室があり、家畜家禽(かきん)に関する育種、生理繁殖、栄養、飼料技術、畜産物の利用加工、環境整備についての基礎および開発的研究、また飼料・飼料原料の依頼分析および鑑定を実施した。草地試験場は、畜産試験場那須支場(1946年設立)および開拓研究所中部支所(1947年設立)が前身。1970年、自給飼料の確保を目ざした草地開発・利用に関する試験研究の要請の高まりを背景に草地試験場として設立、草地および飼料作物に関する技術上の試験研究が行われた。

[西田恂子]

 農業技術研究機構は、その後若干の組織の変遷を経て、2015年4月に国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構となる。2016年4月に農業生物資源研究所などと統合・再編された際、専門研究組織の再編も行われ、畜産草地研究所は同機構の畜産研究部門となった。茨城県つくば市、栃木県那須塩原(なすしおばら)市、長野県御代田(みよた)町の3か所に拠点をもつ。

[編集部 2017年7月19日]

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