(読み)アゼ

デジタル大辞泉 「畦」の意味・読み・例文・類語

あぜ【×畦/畔】

水田と水田との間に土を盛り上げてつくった小さな堤。水をためるとともに、境界通路とする。くろ
敷居鴨居かもいの、溝と溝との中間にある仕切り。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「畦」の読み・字形・画数・意味


11画

[字音] ケイ
[字訓] うねあぜ・しきり

[説文解字]

[字形] 形声
声符は圭(けい)。圭は占卜を行うとき、その卦爻をしるす土版の形。うねで土地を区画する形が似ているので、畦というのであろう。〔説文〕十三下に「田五十畝を畦と曰ふ」とするが、畦は広さの単位としてよりも、うねの意に用いることが多い。〔孟子文公上〕に「圭田五十畝」とあるものは、祭祀の料田であるが、圭形の田であるという。

[訓義]
1. うね、あぜ、しきり。
2. 田の広さの単位。
3. はたけ。
4. 圭と通じ、祭田。

[古辞書の訓]
名義抄〕畦 ウネ・クロ 〔立〕畦 ナハテ・アゼ

[熟語]
畦堰畦苑・畦塩畦径畦逕・畦畦畤畦畛・畦・畦町畦丁畦陌・畦夫畦畝畦封・畦畦碗
[下接語]
一畦・園畦・花畦・夏畦・畦・荒畦・菜畦・春畦・小畦・桑畦・霜畦・短畦・町畦・稲畦・圃畦・方畦・野畦・緑畦

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「畦」の意味・わかりやすい解説

畦 (あぜ)

畦畔(けいはん)または〈くろ〉ともいい,耕地の周辺に設ける土手。水田では湛水(たんすい)を可能にする目的をもつが,農作業を行う場合の通り道(あぜ道)として利用されるとともに,所有地の境界の役割もはたす。また,あぜに生育する草は古くから肥料あるいは家畜の飼料として利用され,マメ類(あぜ豆)などが栽培されることも多かった。通常は土の構造物であり,人間や作業機の通行を可能にする強度をもっていなければならない。田植前に水田で行うあぜ塗りは漏水を防止するために,あぜの表面の雑草を取り除き,ねった泥をぬりつけてあぜの透水性を落とすための作業である。湛水のあぜからの浸透をあぜ浸透と呼び,この量が多い水田は,無効な漏水が増え用水量が過大となる。土以外ではコンクリート,ビニル板などでつくることもあり,これをコンクリート畦畔,ビニル畦畔などという。
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