出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
畦畔(けいはん)または〈くろ〉ともいい,耕地の周辺に設ける土手。水田では湛水(たんすい)を可能にする目的をもつが,農作業を行う場合の通り道(あぜ道)として利用されるとともに,所有地の境界の役割もはたす。また,あぜに生育する草は古くから肥料あるいは家畜の飼料として利用され,マメ類(あぜ豆)などが栽培されることも多かった。通常は土の構造物であり,人間や作業機の通行を可能にする強度をもっていなければならない。田植前に水田で行うあぜ塗りは漏水を防止するために,あぜの表面の雑草を取り除き,ねった泥をぬりつけてあぜの透水性を落とすための作業である。湛水のあぜからの浸透をあぜ浸透と呼び,この量が多い水田は,無効な漏水が増え用水量が過大となる。土以外ではコンクリート,ビニル板などでつくることもあり,これをコンクリート畦畔,ビニル畦畔などという。
執筆者:多田 敦
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