痔疾患治療内服剤(読み)ジシッカンチリョウナイフクザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 「痔疾患治療内服剤」の解説

痔疾患治療内服剤

製品名
《トリベノシド製剤》
ヘモクロン(天藤製薬、武田薬品工業)
《メリロートエキス製剤》
タカベンス(高田製薬)
●その他●
ヘモナーゼ(ジェイドルフ製薬、堀井薬品工業)
ヘモリンガル(東菱薬品工業扶桑薬品工業

 トリベノシド製剤は、内痔核ないじかくの出血、れに、ヘモナーゼ痔核裂肛症状(出血、痛み、腫れ、かゆみ)の改善、ヘモリンガルは、痔核の症状の改善に効果がある薬です。内服剤で十分な効果が得られない場合は、坐剤ざざい軟膏なんこうといった外用剤と併用することもあります。メリロートエキス製剤は、外傷後手術後の腫れ炎症などの治療に使うこともあります。


 メリロートエキス製剤は、とくに副作用がありません。


 そのほかの薬は、次のような副作用が現れることがあります。


①過敏症状(発疹ほっしん・かゆみなどのアレルギー症状)、そのほか、トリベノシド製剤で多形紅斑がおこることがあります。このような症状がおこったら使用を中止して、すぐ医師に相談してください。


吐き気嘔吐おうと、食欲不振、腹痛、胃部不快感、腹部膨満感、下痢、便秘などの消化器症状がおこることがあります。このような症状に気づいたら、医師に相談してください。


錠剤カプセル剤があります。ヘモリンガルは、舌下ぜっか錠(飲み込まずに舌下で徐々に溶かして、口腔こうくう粘膜から吸収させることで効果を発揮する薬)です。医師から剤型や使用法についての説明をきちんと聞いておくことが大切です。


 舌下錠は、溶けてなくなるまで舌の下に入れておきます。途中んだり飲み込んだりすると、効果が著しく低下します。噛んだり飲み込んだりしないでください。


 1回の使用回数と使用する時間・使用量については、指示をきちんと守ってください。


②あらかじめ問診の際に、持病・アレルギーなどの体質・現在使用中の薬の有無を医師に報告してください。


妊婦、現在妊娠している可能性のある人は、あらかじめ医師に伝えてください。胎児に悪影響を与える薬もあります。


 使用するように医師からいわれたときは、医師の指示をより厳重に守ってください。


④ほかの薬を使う必要があるときは、必ず医師に報告してください。


 とくに、トリベノシド製剤ヘモナーゼは、ワルファリンカリウム製剤などの抗凝血剤と併用すると、抗凝血剤の作用を増強することがあります。

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