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発声時頸部ジストニア はっせいじけいぶじすとにあ

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知恵蔵の解説

発声時頸部ジストニア

声を発する際に首周辺の筋肉が不随意に収縮し、うまく声が出せなくなる運動障害。「桜」のヒットで知られるコブクロのメンバー小渕健太郎が、高音域の声を出そうとすると首周りの筋肉が硬直して声が出しづらいという症状を訴え、治療に専念するため、2011年8月から半年間の活動休止を発表した。
筋肉が不随意かつ持続的に収縮し、運動に障害が出る病気をジストニア、またはジストニーという。代表的なものに、字を書こうとすると手が震える書痙(しょけい)、首が傾いたまま硬直する斜頸(しゃけい)がある。ジストニアの発症年齢は幅広く、男女差もほとんどないとみられている。
ジストニアにはいくつかの分類法があり、「発声時頸部ジストニア」の「発声時」は動作特異性を表す用語、「頸部」は局所性を表す用語である。逆に、特定の動作とは無関係に起こるケースや、身体の特定の部位に限らず全身的に起こるケースもある。薬剤の副作用や、遺伝性の病気、または事故などが原因でジストニアになる場合を二次性ジストニア、原因がはっきりしない場合を本態性ジストニアという。発声時頸部ジストニアは、動作特異性、局所性、本態性のジストニアである。
動作特異性ジストニアは、ピアニストピアノを弾こうとすると特定の指が動かなくなったり、スポーツ選手が動作に支障をきたしたりなど、職業と強く関連する症状が出る例が多く、精神的な要因も否定できないとされている。
ジストニアの診断は、頭部CT(コンピューター断層撮影)、MRI(磁気共鳴断層撮影)、脳波などで他の疾患を除外し、筋電図で筋肉の特徴的な反応が検出されて確定する。治療は主に神経内科行われることが多いが、症状や経過によっては精神科、脳神経外科リハビリテーション科等で行われることもある。治療法としては、副交感神経を抑制する抗コリン剤の内服や、異常な動きを示す筋肉にボツリヌス毒素を注射して筋肉の緊張を緩める方法などがある。
本態性ジストニアが直接、生命に関わることはないが、原因が不明であり、決定的な治療法はまだ開発されていないため、現代の医学では根治は難しい。

(石川れい子 ライター / 2011年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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