滋賀県北東部、坂田郡にあった旧町名(伊吹町(ちょう))。現在は米原(まいばら)市北部を占める地域。伊吹山西麓(せいろく)に位置する。旧伊吹町は1971年(昭和46)町制施行。2005年(平成17)山東(さんとう)、米原(まいはら)の2町と合併、米原市となる。旧町域の大部分が伊吹山などの山地と複合扇状地である。北国脇(ほっこくわき)往還(国道365号)など道路網が発達する。セメント用の石灰石の採掘、扇状地でのクリ栽培などが知られる。東部の伊吹山一帯は琵琶湖国定公園(びわここくていこうえん)に含まれる。春照(すいじょう)は北国脇往還の宿、上野は伊吹山への表登山口、甲津原は古い習俗を残し、顕教おどりは県の無形民俗文化財。
[高橋誠一]
『『伊吹町史』全2巻(1992、1994・伊吹町)』
幸若舞曲の曲名。別名〈伊吹落〉。作者,成立年次不詳。1593年(文禄2)の写本が現存。上演記録の初出は94年(《言経卿記》)。平治の合戦に敗走する源頼朝は,伊吹山中で父義朝にはぐれ,吹雪に迷うが,草野の荘司に助けられる。のち,父の首が獄門にかけられるのを知った頼朝は上洛するが,平家方の弥平兵衛宗清に捕らえられる。斬首の寸前,頼朝が逆修(ぎやくしゆ)のために建てた卒塔婆の悲華経の文に感じた池禅尼の助命により,伊豆への流罪に減刑される。幸若舞曲には頼朝とその治世を言祝(ことほ)ぐ作品が数曲あるが,そのうちの一つ。内容上は《平治物語》九条家本に比較的近いが,前半部に相違が著しく,謡曲《雪頼朝》(廃曲)が金刀比羅本系統の諸本を典拠としているらしいのとは対照的。草野の荘司が頼朝を助けるとする説話は《吾妻鏡》文治3年9月9日条や屋代本《平家物語》剣巻などに見える。なお,滋賀県長浜市の旧浅井町草野付近には関連する伝説が多い。
執筆者:山本 吉左右
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