白鷹(町)(読み)しらたか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「白鷹(町)」の意味・わかりやすい解説

白鷹(町)
しらたか

山形県南部、西置賜郡(にしおきたまぐん)の町。1954年(昭和29)荒砥(あらと)町と蚕桑(こぐわ)、鮎貝(あゆかい)、十王(じゅうおう)、白鷹東根の5村が合併して成立。山形鉄道フラワー長井線、国道287号、348号が通じる。新町名は白鷹山にちなむ。町域の東部は白鷹山の丘陵地、西部は朝日山地の東縁をなす山地に囲まれ、中央部は最上(もがみ)川が北流して町域を縦断し、長井盆地の北部を占める段丘の多い平坦(へいたん)地が広がる。米沢(よねざわ)藩時代からクワ、アオソ(青苧)の栽培が盛んで、昭和初期まで置賜地方の養蚕業の中心地であった。現在は稲作果樹、トマト栽培、酪農などの複合経営が定着している。また、白鷹紬(つむぎ)や照明器具などの深山和紙(みやまわし)を特産する。役場のある荒砥は近世最上川舟運の河岸として栄え、明治に入ると桑市が開かれた地である。観音寺観音堂(深山観音堂)は室町時代の建立とされ、国指定重要文化財。面積157.71平方キロメートル、人口1万2890(2020)。

中川 重]

『『白鷹町史』(1977・白鷹町)』


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