先入観(読み)センニュウカン

デジタル大辞泉 「先入観」の意味・読み・例文・類語

せんにゅう‐かん〔センニフクワン〕【先入観】

前もっていだいている固定的な観念。それによって自由な思考が妨げられる場合にいう。先入見。先入主。「先入観にとらわれる」
[類語]先入主偏見先入見僻目ひがめ贔屓目ひいきめ欲目固定観念偏る不公平不平等偏する僻する偏向偏在偏重偏頗へんぱ差別片手落ちバイアスアンフェア

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精選版 日本国語大辞典 「先入観」の意味・読み・例文・類語

せんにゅう‐かんセンニフクヮン【先入観】

  1. 〘 名詞 〙 最初に知ったことによって形成された固定的な観念・見解。ふつう、それによって自由な思考が妨げられるような場合にいう。先入観念。先入意見。先入見。先入主。
    1. [初出の実例]「けれども裁判官が特定の先入観に囚われる事は危険であるので」(出典:支倉事件(1927)〈甲賀三郎〉断罪)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「先入観」の意味・わかりやすい解説

先入観
せんにゅうかん
preconception

特定事物事柄人物などについて、あらかじめ接していた情報や、自分が初めて接触したときにもった知識が、強力に作用し、それらの対象に対して形成される固定的で変化しにくい評価ないし見方をいう。先入観は、極度に好意を抱いているか、反対に極度に嫌悪を抱いている対象と結び付きやすく、一度先入観ができあがってしまうと、これを是正するような情報は頭から受け付けず、反対にこれを肯定するような情報は積極的に集めようとする傾向があり、客観的に正しく是正されにくいものである。人種的偏見などの社会的偏見の多くは、先入観に基づくものが多い。

[辻 正三]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「先入観」の意味・わかりやすい解説

先入観
せんにゅうかん
prejudice

実際体験に先立って,ある特定の対象に対してもつ主観的価値判断。体験に先立つ歴史的,社会的,宗教的など種々の要素によって形成され,好意的な場合と悪意のある場合とがみられる。

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