目黒山(読み)めぐろやま

日本歴史地名大系 「目黒山」の解説

目黒山
めぐろやま

目黒の山を中心とした山系で、松野町・宇和島市にもかかる。目黒村は明暦三年(一六五七)宇和島藩から吉田藩が分封されたとき吉田藩領となったが、周囲の村は宇和島藩領であり飛地になっていた。目黒山の大部分が御立山(藩有林)で、一部が入相山(村民の共有林)となっていて、村民肥料・飼料用の野草、薪炭用の木、灯火用の松明などの生活資源を採取していた。

この目黒山をめぐって、目黒村と次郎丸じろうまる村の間に山論が発生した。明暦四年春、目黒村庄屋長左衛門は当村の小岩谷こいわだにの嶺で枌挽そぎひき中の宇和島藩領の杣人を取り押え、材木は押収し杣人は追放した。この事件について長左衛門と次郎丸村庄屋兵左衛門が協議したが、意見は対立し、ひいては宇和島・吉田両藩の論争となる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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