日本大百科全書(ニッポニカ) 「真弓の紙」の意味・わかりやすい解説 真弓の紙まゆみのかみ 和紙の一種。743年(天平15)の『正倉院文書』に「真弓紙」とあり、古くから檀紙(だんし)と混同されてマユミの繊維を原料として漉(す)いた和紙といわれていた。しかしマユミはニシキギ科の落葉樹で、その靭皮(じんぴ)繊維は質も量も紙の原料には適さないため、コウゾ(楮)などに混入して漉いたとも思われるが、平安時代には真弓紙は奥州産の名をとどめるだけで、実体は楮紙の一種になったものと考えられている。[町田誠之][参照項目] | 檀紙 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例