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檀紙 ダンシ

5件 の用語解説(檀紙の意味・用語解説を検索)

デジタル大辞泉の解説

だん‐し【×檀紙】

和紙の一。楮(こうぞ)を原料とし、縮緬(ちりめん)状のしわがある上質の和紙。大きさによって大高・中高・小高に分けられ、文書・表具・包装などに用いられる。平安時代には陸奥から良質のものが産出されたので陸奥紙(みちのくがみ)ともいった。さらに古くは、檀(まゆみ)を原料としたので、真弓(まゆみ)紙とも書かれた。

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百科事典マイペディアの解説

檀紙【だんし】

和紙の創始期から現在まで存在する,最も長い歴史をもつ紙名。平安時代コウゾを原料とし,米粉を加えて作った手すき和紙。その後米粉に代え,白土を使用。紙質は白く,厚く,抄紙(しょうし)のとき紙面にしわを付けてある。

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世界大百科事典 第2版の解説

だんし【檀紙】

和紙の一種。和紙の創始期から現在に至るまで存在している,最も長い歴史をもつ紙名である。奈良時代の《正倉院文書》に檀紙の名称が出てくるが,それが平安時代に盛んにすかれた楮紙(こうぞがみ)の檀紙と同じ材質のものか,あるいはニシキギ科マユミ(檀)を原料としたものかは不明である。平安時代には手紙はもとより,漢詩や和歌などを記す懐紙などにも用いられた高級な紙であった。男子は檀紙と記していたが,《源氏物語》などの女流文学にみられるように,女子は陸奥紙(みちのくがみ)とよんでいた。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
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大辞林 第三版の解説

だんし【檀紙】

古くマユミの樹皮で漉いた和紙。真弓まゆみ紙。
コウゾで漉いた和紙の一。江戸時代以後ちりめん状のしわを特徴とした。紙の大きさとしわの大小によって大高おおたか・中高・小高の別がある。包装・文書・表具などに用いられる。陸奥みちのく紙。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

檀紙
だんし

現代では一般に用いられないが、大正時代のころまではもっとも品位が高いとされていた儀礼用の和紙。『正倉院文書』にもこの紙名がみられるように、すでに奈良時代に存在し、平安から鎌倉時代にかけては上流社会で広く愛用され、当時の文学作品にもしばしば出てくる。しかしそれまでの檀紙は真弓の紙(まゆみのかみ)ともよばれ、またときには陸奥紙(みちのくがみ)と同じものをさしていたことが知られており、何を原料とした紙であるかについては研究者の間に異説が多い。おそらくコウゾ(楮)を主原料に、ときにはマユミ(真弓)も混用されたと考えられているが、確証はない。
 中世以降、檀紙の生産ではまず讃岐(さぬき)国(香川県)が名高く、やがて備中(びっちゅう)国(岡山県)産のものが現れて江戸時代末期まで宮中や幕府に上納したが、のちには越前(えちぜん)国(福井県)が広く一般の需要に応じた。中世以降の檀紙は明らかにコウゾを原料としており、厚手でしかも繭のような光沢をもつ点が奉書(ほうしょ)と相違する。1777年(安永6)刊の木村青竹(せいちく)編『新撰紙鑑(しんせんかみかがみ)』は、前記の産地のほかに阿波(あわ)国(徳島県)、丹後(たんご)国(京都府)などもあげており、さらに大鷹(おおたか)、中鷹、小鷹などの種類と、それぞれの寸法も示している。しかし、1877年(明治10)刊の尾崎富五郎編『諸国紙名録』では、その分類は大高、中高、小高となっている。寸法は時代や産地によって多少の相違があり、ほかに染色された五色檀紙もあるが、いずれの場合も中世以降の檀紙には表面に縮緬(ちりめん)様のしわがあるのが特徴である。このしわは、まず紙床(しと)に重ねた湿紙を数枚ずつ重ねて板に張り、水を打ってから手加減によって引きはがすことによりつくられる。宮城県白石(しろいし)市と福井県越前市に、この伝統的な技法が守り続けられている。[町田誠之]
『前川新一著『檀紙の研究――歴史・種類・製法』(1978・紙の博物館) ▽上島有編『室町時代の武家文書』(1987・吉川弘文館)』

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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