真那井村(読み)まないむら

日本歴史地名大系 「真那井村」の解説

真那井村
まないむら

[現在地名]日出町真那井 真那井

大神おおが村の東に位置し、標高二〇メートルほどの低い丘陵に囲まれ、南は別府湾に面する。

〔中世〕

大神庄に含まれ、豊後国弘安田代注進状に大神庄一七〇町のうちとして「真奈井・野木乃井村参拾町 利根又太郎頼親」とある。豊後国弘安図田帳には地頭として戸次太郎時頼ならびにその弟利根次郎頼親とある。南北朝時代に入り、大神・藤原庄の地頭であった戸次(大神)氏が南朝方に属したため、文和元年(一三五二)幕府はこれを没収、田原三郎直貞(正曇)に大神・藤原庄の地頭職勲功の賞として与えている(同年一一月二二日「足利義詮袖判下文」大友家文書録)。このなかに「真那井・野木乃井村」が含まれていたか否か不明だが、利根氏は戸次氏の一族であり、含まれていた可能性は高い。一五世紀半ばには真那井の大部分は大友氏の知行地となり、年未詳九月三日の大友親繁知行預ケ状(渡辺左近文書)によれば、地内の四〇町分が渡辺左京允に預けられた。この渡辺一党は真那井衆とよばれ、戦国期大友家の給人として真那井の地を分与され、浦部水軍の一翼を担い、海上警護などに活躍し、大内毛利など近隣大名との戦いの際に大友水軍のなかで重要な役割をした(年未詳二月三〇日付真那井衆中宛「大友義鑑書状」・天文五年閏一〇月九日「大友義鑑知行預ケ状」渡辺文書など)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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