家庭医学館 「睫毛乱生」の解説
しょうもうらんせい【睫毛乱生 Trichiasis】
まつげ(睫毛)の生える向きが不規則なものを睫毛乱生といいますが、内向きに生えているまつげが眼球(がんきゅう)に触れるために、黒目(くろめ)(角膜(かくまく))が障害されます。
[症状]
まつげが黒目に当たると異物感を生じますが、子どもでははっきりと症状を訴えることができないので、まぶしがるとか、めやに(眼脂(がんし))が多いといった症状で、両親が気づくことが多いようです。
黒目を持続的に傷害するので、角膜を傷つけたり、角膜混濁(かくまくこんだく)の原因となることもあります。
[治療]
黒目に当たるようなまつげを抜くと、しばらくはよいのですが、1~2か月するとまた生えてきます。ですから、障害の程度がひどくなければ、角膜保護剤や抗生物質の点眼薬を使ってしばらくようすをみます。
まつげを生えてこないようにするためには、電気分解やレーザーで毛根(もうこん)を焼却する治療が行なわれますが、それでも再発することが少なくありません。