デジタル大辞泉
「長夜」の意味・読み・例文・類語
ちょう‐や〔チヤウ‐〕【長夜】
《古くは「ぢょうや」とも》
1 秋または冬の長い夜。ながよ。《季 秋》⇔短夜。
2 夜通し。「長夜の宴」
3 《いつまでも夜が明けないところから》死んで埋葬されること。転じて、死後の世界。
4 仏語。煩悩のため悟りが開けず生死の境界にさまようこと。「無明長夜」
なが‐よ【長夜】
夜の明けるまでが長い夜。特に、秋の夜についていう。夜長。ちょうや。
[補説]作品名別項。→長夜
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ちょう‐やチャウ‥【長夜】
- 〘 名詞 〙 ( 古くは「ぢょうや」とも )
- ① 長い夜。なかなか明けない夜。ふつう、秋または冬の夜をさす。よなが。ながよ。
- [初出の実例]「嗟余五八歳、長夜念円融」(出典:性霊集‐三(835頃)中寿感興詩)
- [その他の文献]〔荀子‐正名〕
- ② ( 「春秋左伝‐襄公一三年」の「唯是春秋
穸之事」の注に「
、厚也、穸、夜也、厚夜猶二長夜一、春秋謂二祭祀一、長夜謂二葬埋一」とあることによる。長夜はいつまでも夜が明けないところから、人が一度死んで二度と生きかえらないことをたとえていう ) 死んで、埋葬されること。また、死んだ後のあの世。死後の世界。冥途。黄泉。よみじ。- [初出の実例]「長夜に君先づ去りんたり 残んの年我れ幾何ぞ〈白居易〉」(出典:和漢朗詠集(1018頃)下)
- [その他の文献]〔勝鬘経‐摂受章〕
- ③ 仏語。凡夫が、煩悩のために悟りを開くことができず、生死輪廻の迷いからのがれることができないこと。また、そのような境地。生死長夜(しょうじじょうや)。
- [初出の実例]「釈迦の月は隠れにき、慈氏の朝日は未だ遙か、その程長夜の闇(くら)きをば、法花経のみこそ照らいたまへ」(出典:梁塵秘抄(1179頃)一)
- ④ 「ちょうや(長夜)の飲」の略。〔史記‐楽書〕
ながき【長】 夜(よ)
- ① 日暮れから夜明けまでの時間の長い夜。特に秋の夜にいう。ながよ。ちょうや。《 季語・秋 》
- [初出の実例]「今よりは秋風寒く吹きなむをいかにかひとり長夜(ながきよ)をねむ」(出典:万葉集(8C後)三・四六二)
- ② 永久に夜の続くこと、また、その所の意で、死後の世界のこと。よみじ。冥土。ちょうや。
- [初出の実例]「ながきよの苦しきことを思へかし何歎くらんかりのやどりを〈よみ人しらず〉」(出典:詞花和歌集(1151頃)雑下・四〇九)
なが‐よ【長夜】
- 〘 名詞 〙 長い夜。特に、夜明けまでが長い秋の夜をいう。ちょうや。《 季語・秋 》
- [初出の実例]「ある人のあな心無(こころな)と思ふらむ秋の長夜(ながよ)を寝覚め伏すのみ」(出典:万葉集(8C後)一〇・二三〇二)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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「長夜」の読み・字形・画数・意味
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長夜
ちょうや
なかなか明けない長い夜の意で、多く秋または冬の夜についていう。古くは「じょうや」といった。仏教では、凡夫が煩悩(ぼんのう)にじゃまされて悟ることができず、長く無明(むみょう)(根源的無知)の闇(やみ)に覆われて、生死輪廻(しょうじりんね)の世界に沈淪(ちんりん)するさまを例えていう。「長夜の眠り」「長夜の闇」などは、生死の迷いを闇に例え、生死輪廻の苦界を脱することのできない凡夫のさまをいった句である。
[藤井教公]
出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
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