石上私淑言(読み)イソノカミササメゴト

デジタル大辞泉 「石上私淑言」の意味・読み・例文・類語

いそのかみささめごと【石上私淑言】

江戸中期の歌論書。3巻。本居宣長もとおりのりなが著。宝暦13年(1763)成立。歌の本質起源などを問答体で記す。

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精選版 日本国語大辞典 「石上私淑言」の意味・読み・例文・類語

いそのかみささめごと【石上私淑言】

  1. 江戸中期の歌論書。三巻。本居宣長著。宝暦一三年(一七六三)成立か。歌の本質などについて問答体で記す。

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改訂新版 世界大百科事典 「石上私淑言」の意味・わかりやすい解説

石上私淑言 (いそのかみのささめごと)

本居宣長の歌論書。成立は1763年(宝暦13)とされるが,未完である。自筆稿本3巻3冊が伝わる。内容,問答体というスタイル,ともに《排蘆小船(あしわけおぶね)》を踏まえ,それを深化発展させた作である。和歌定義,本質,形式,起源,歴史,詩と歌の比較など多岐にわたって論じられているが,和歌の本質を〈もののあはれ〉に見,文芸の自律性を強調した点に特色がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「石上私淑言」の意味・わかりやすい解説

石上私淑言
いそのかみささめごと

本居宣長(もとおりのりなが)の歌論書。全3巻。未完。成立年代は1763年(宝暦13)ごろで、『紫文要領』(1763成立)より少し遅れている。1757年京都遊学から松坂に戻った宣長は、歌論書『排蘆小船(あしわけおぶね)』をまとめたが、さらに物語と和歌とを統一的な美意識で解釈し、「もののあはれ」論を完成させた。本書は、「歌とはいかなる物をいふぞや」という定義に始まり、和歌の本質論、伝統的歌論への批判を展開しつつ、「もののあはれ」的歌論を提示している。

[萱沼紀子]

『大久保正編『本居宣長全集 2』(1968・筑摩書房)』『小林秀雄著『本居宣長』(1978・新潮社)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「石上私淑言」の意味・わかりやすい解説

石上私淑言
いそのかみのささめごと

江戸時代中期の歌論書。本居宣長著。2巻2冊。宝暦 13 (1763) 年成立,文化 13 (1816) 年刊。宣長 34歳,京都遊学から帰って6年後の作。歌はいかなるものか,歌の起源など5項を問答体で述べ,『排蘆小船』によってその方向をさし示した「もののあわれ」の説をさらに深めたもの。

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