石中先生行状記(読み)イシナカセンセイギョウジョウキ

デジタル大辞泉 「石中先生行状記」の意味・読み・例文・類語

いしなかせんせいぎょうじょうき〔いしなかセンセイギヤウジヤウキ〕【石中先生行状記】

石坂洋次郎の短編小説集。昭和23年(1948)から昭和29年(1954)連載青森県に疎開していた小説家、石中先生の体験を描く。全4巻。昭和25年(1950)、昭和41年(1966)に映画化されている。

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関連語 ふるさと

日本大百科全書(ニッポニカ) 「石中先生行状記」の意味・わかりやすい解説

石中先生行状記
いしなかせんせいぎょうじょうき

石坂洋次郎の小説。1948年(昭和23)から54年まで断続的に『小説新潮』に連載。ほかに別の雑誌に発表の短編を加えた計40編を収めて全4冊の単行本が新潮社より刊行(1949~54)された。作者分身を思わせる石中先生が、疎開先の郷里津軽で体験したり見聞したことを読み切り風につづったもので、バルザック『風流滑稽譚(こっけいたん)』等に通じる好色譚から、少年回想ものに至る諸傾向の作品を、ローカル・カラー豊かに描く。近代文学史上の異色作といえよう。

[森 英一]

『「石中先生行状記(抄)」(『土とふるさとの文学 13』所収・1976・家の光協会)』

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