石貫ナギノ横穴群(読み)いしぬきなぎのよこあなぐん

日本歴史地名大系 「石貫ナギノ横穴群」の解説

石貫ナギノ横穴群
いしぬきなぎのよこあなぐん

[現在地名]玉名市石貫 ナギノ

繁根木はねぎ(錦川)中流右岸に位置し、高さ約七メートル・全長三〇〇メートルに及ぶ阿蘇泥溶岩の東壁に四五基の横穴が開口している。多いもので一四基、少ないもので三基それぞれ群集し、規模も大小がある。羨門は多くは二重、三重のアーチ形および隅丸の台形を呈し、この部分に同心円・三角形・円形菱形などの連続文様を線刻し、その上を赤色で塗分けている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「石貫ナギノ横穴群」の解説

いしぬきナギノよこあなぐん【石貫ナギノ横穴群】


熊本県玉名市石貫にある横穴。繁根木(はねぎ)川中流域の右岸に続く阿蘇凝灰岩の崖面、高さ約7m、全長250mにおよぶ岩壁に分布する横穴群。その東側の面には45基の横穴が並んでいる。多いもので14基、少ないもので3基がそれぞれグループをつくり、規模も大小がある。石貫穴観音横穴とともに、仏教伝来後の大陸性をもった貴重な史跡であることから、1921年(大正10)に国の史跡に指定された。横穴は高いものは地上から5mに位置し、低いものでは大半を地中に埋没させている。横穴の入り口(羨門(せんもん))の多くは2重、3重のアーチ形か隅丸の台形で、この部分に同心円・三角形・円形・菱形などの連続文様を線刻し、赤色顔料で彩色。墓室奥壁の石屋形内壁・外壁に弓・矢・盾などを線刻したものもあり、これらの横穴は古墳時代終末期にこの地方で権勢を誇った豪族一門の墳墓と考えられている。JR鹿児島本線玉名駅から産交バス「虎取」下車、徒歩約5分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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