硫酸コバルト(読み)リュウサンコバルト

化学辞典 第2版 「硫酸コバルト」の解説

硫酸コバルト
リュウサンコバルト
cobalt sulfate

硫酸コバルト(Ⅱ):CoSO4(155.00).酸化コバルトを硫酸に溶かし,41.5 ℃ 以下で析出させると七水和物が得られる.七水和物は濃紅色の柱状晶.赤バンともよばれ,天然にはビーバーライトとして産出する.FeSO4・7H2Oと同形.密度1.93 g cm-3.融点96.8 ℃.空気中で風解する.水和物を250 ℃ に加熱すると無水物が得られる.赤色の吸湿性粉末.密度3.71 g cm-3.融点735 ℃.水に易溶.コバルトめっき,磁性材料,飼料添加物,陶磁器うわぐすり,コバルト塩の製造などに用いられる.[CAS 10124-43-3:CoSO4][CAS 13455-34-0:CoSO4・H2O][CAS 10026-24-1:CoSO4・7H2O]【】硫酸コバルト(Ⅲ):Co2(SO4)3・18H2O(730.33).硫酸コバルト(Ⅱ)の硫酸酸性溶液を低温で電気分解すると得られる.青色の針状晶.加水分解して酸素を発生し,硫酸コバルト(Ⅱ)になる.35 ℃ で分解する.硫酸には分解せずに溶ける.強い酸化剤として用いられ,エタノールをアセトアルデヒドに酸化し,塩酸から塩素を発生する.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android