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文書偽造罪 ぶんしょぎぞうざいUrkundenfälschung

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

文書偽造罪
ぶんしょぎぞうざい
Urkundenfälschung

文書などを偽造変造し,または虚偽文書を作成することによって成立する罪。日本の刑法では日常社会生活における取り引きの確実性を担保するべき文書の信頼性を保護するため文書偽造罪を処罰している。このなかには,詔書偽造,有印または無印公文書偽造,虚偽公文書作成,公正証書原本等の不実記載,有印または無印の私文書偽造,虚偽診断書作成のほか,さらに以上各文書行使の各罪が含まれている。 1987年の刑法一部改正により,文書と同じ機能を果している電磁的記録も保護の対象に加えられた。

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デジタル大辞泉の解説

ぶんしょぎぞう‐ざい〔ブンシヨギザウ‐〕【文書偽造罪】

事実に反する事項を文書に記入したり、権限のない者が他人の名義で文書を作成したりする罪。刑法第2編第17章が禁じる。
[補説]状況や立場などの違いにより、詔書偽造等罪公文書偽造等罪虚偽公文書作成等罪公正証書原本不実記載等罪偽造公文書行使等罪私文書偽造等罪虚偽診断書等作成罪偽造私文書等行使罪電磁的記録不正作出及び供用罪などにあたることもある。

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百科事典マイペディアの解説

文書偽造罪【ぶんしょぎぞうざい】

正当な作成権限なしに作成された文書,または内容が真実でない文書を作る罪(刑法154条以下)。前者を有形偽造,後者を無形偽造という。公文書では両者とも処罰されるが,私文書では有形偽造だけを処罰し,無形偽造を処罰するのは医師が公務所に提出する文書の場合に限られる。
→関連項目偽造罪

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世界大百科事典 第2版の解説

ぶんしょぎぞうざい【文書偽造罪】

文書・図画(とが)を偽造,変造し,または偽造・変造の文書・図画を行使すること。刑法第17章(154~161条)に規定されている。偽造とは,狭義では,作成権限を有しない者がかってに他人の名義を使用して文書(図画を含む。以下原則として同様)を作成することをいい,文書の作成者と名義人が一致しない文書を不真正文書という。広義の偽造にはこの不真正文書を作成する有形偽造(すなわち狭義の偽造)と権限のある者が内容虚偽の文書を作成する無形偽造(虚偽文書作成)とが含まれる。

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大辞林 第三版の解説

ぶんしょぎぞうざい【文書偽造罪】

行使の目的で正当な権限なしに文書を作成し、または内容が真実でない文書を作成する罪。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

文書偽造罪
ぶんしょぎぞうざい

文書を偽造・変造したり、虚偽文書を作成したり、これらの文書を行使する罪(刑法154条~161条)。文書は経済取引など社会生活において重要な機能を有するので、文書に対する社会的な信用を保護するのが本罪の目的である。現行刑法は文書を天皇文書、公文書、私文書に三分するとともに、行為の態様により法定刑に差を設けている。[名和鐵郎]

文書の意義

文書とは、文字その他可読的符号を用いて物体上に記載された意思または観念の表示をいう。実定法上、文書(広義)には、文字など発音的符号を用いた文書(狭義)と、象形的符号を用いた図画(とが)とがある。文書には、音声自体を録音したレコード、録音テープなどは含まれないが、判例では、電磁的記録物である自動車登録ファイルも「公正証書」にあたると解されている。文書とは原本的なものであると解されてきたが、最近の複写技術の発達に伴い、写真コピーは単なる写しではなく、文書にあたると解する判例がある。[名和鐵郎]

偽造の概念

偽造には、理論的に、文書につき作成権限を有しない者がかってに他人名義の文書を作成する有形偽造と、作成権限を有する者が真実に反する内容の文書を作成する無形偽造とがある(前者を不真正文書の作成といい、後者を虚偽文書の作成ともいう)。現行刑法は、公務員または公務所が作成すべき公文書につき有形偽造と無形偽造を広く処罰しているが、私文書については原則として有形偽造だけを処罰している。なお、「偽造」と「変造」との区別は、前者が不真正文書を作成する場合であり、後者は真正文書の非本質的部分に変更を加える場合であるが、変造にも有形変造と無形変造の2種類がある。また、「行使」とは、不真正文書または虚偽文書を使用することをいう。[名和鐵郎]

犯罪類型

現行刑法には、公文書に関しては、詔書(天皇文書)偽造罪(154条。無期または3年以上の懲役)、公文書偽造罪(155条。有印公文書偽造・変造罪は1年以上10年以下の懲役、無印公文書偽造・変造罪は3年以下の懲役または20万円以下の罰金)、虚偽公文書作成罪(156条。154条および155条の法定刑に同じ)、公正証書等不実記載罪(157条。5年以下の懲役または50万円以下の罰金。ただし、免状、鑑札、旅券の場合は1年以下の懲役または20万円以下の罰金)、偽造公文書行使罪(158条。前4条の区別に従い同一の法定刑)がある。また、私文書に関しては、私文書偽造罪(159条。有印私文書偽造・変造罪は3月以上5年以下の懲役、無印私文書偽造・変造罪は1年以下または10万円以下の罰金)、虚偽私文書作成罪(160条。3年以下の禁錮または30万円以下の罰金)、偽造私文書行使罪(161条。前2条の区別に従い同一の法定刑)がある。さらに1987年(昭和62)の刑法一部改正によって、コンピュータ犯罪の一環として、刑法157条、158条のなかに、電磁的公正証書原本不実記録罪、不実記録電磁的公正証書原本供用罪が追加されるとともに、刑法161条の二として、電磁的記録不正作出及び供用罪が新設された。[名和鐵郎]

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世界大百科事典内の文書偽造罪の言及

【印章偽造罪】より

…印章,署名の真正に対する公共の信用を保護するものであるが,印章や署名の偽造が独立して行われることはあまりなく,文書偽造の手段であることが多い。本罪は文書偽造罪の未遂犯としての性格を有し,順次両者が行われたときは文書偽造罪のみが成立する。【西田 典之】。…

※「文書偽造罪」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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