局所麻酔の方法の一つで、脊髄(せきずい)の周囲に存在する硬膜外腔(くう)に局所麻酔薬を注入して脊髄に出入する神経を麻痺(まひ)させる方法である。針の穿刺(せんし)は腰椎(ようつい)麻酔と異なり、脊椎部のどの部位からも可能であり、とくに、仙骨裂孔から行うものは仙骨麻酔とよばれる。麻酔の範囲は注入された局所麻酔薬の量に左右される。この麻酔法によって得られる効果は腰椎麻酔とほぼ同様である。
硬膜外麻酔は、薬の注入の様式によって1回注入法と持続法とがあり、後者はカテーテルを挿入留置して、ここから局所麻酔薬を随時注入する方法である。合併症としては、血圧下降、局所麻酔薬中毒、全脊椎麻酔などがあげられる。
[山村秀夫・山田芳嗣]
…(4)脊椎麻酔 脊椎の硬膜下腔に注入。(5)硬膜外麻酔 硬膜と脊椎の間に存在する髄液に注入して,脊髄から出る前根および後根を麻痺させる。 局所麻酔薬は狭義にはコカインおよびコカイン代用薬である。…
…局所麻酔の種類には,(1)表面麻酔topical anesthesia,(2)粘膜表面に塗布する浸潤麻酔infiltration anesthesia,(3)狭義の局所麻酔(局所に浸潤注射する),(4)伝達麻酔conduction anesthesia(末梢神経の走行経路に局所麻酔薬を注射して神経伝達を遮断する。神経ブロックnerve blockとも呼ばれる),(5)脊椎麻酔spinal anesthesia(脊髄くも膜下腔に局所麻酔薬を注入して脊髄前根,後根を遮断する),(6)硬膜外麻酔epidural anesthesia(脊椎の硬膜外腔に局所麻酔薬を注入して脊髄前根,後根を遮断する)がある。 局所麻酔は,意識下で手術が可能であり,自発呼吸が維持されている,手術部位の確実な鎮痛が得られる,手術野の自発運動の抑制と手術侵害による自律神経反射の抑制などが利点となる。…
※「硬膜外麻酔」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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