磁性流体(読み)ジセイリュウタイ(その他表記)magnetic fluid

デジタル大辞泉 「磁性流体」の意味・読み・例文・類語

じせい‐りゅうたい〔‐リウタイ〕【磁性流体】

界面活性剤を用いて水や油に磁性体微粒子を分散させたもの。流体自体が磁性をもつように振る舞い、磁石に引き寄せられたり、磁極付近で磁力線に沿って突起形成(スパイク現象)したりする。MR(magnetorheological)流体。

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百科事典マイペディア 「磁性流体」の意味・わかりやすい解説

磁性流体【じせいりゅうたい】

液状磁性材料。水などの溶媒に,界面活性剤で処理したきわめて微細なマグネタイト酸化鉄)を分散させて作る。見かけ上は,磁石を近づけると液体自体があたかも磁気を帯びているようにふるまう。もともとはアメリカ航空宇宙局(NASA)が1968年に,ロケットの燃料供給系のシーリング用に開発。現在では,スピーカーのダンパー,真空加工装置やモーターの磁気シール,金属比重選別などのほか,抗癌剤を磁石で患部に誘導するDDS(ドラッグ・デリバリー・システム)などにも使用されている。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「磁性流体」の意味・わかりやすい解説

磁性流体
じせいりゅうたい
magnetic fluid

通常の磁石はすべて固体である。それに対し液体自身が強磁性体であるかのように見えるものをいう。代表的なのは,マグネタイト ( Fe3O4 ) の微粒子 (直径 100万分の 4cm) をオレイン酸などの界面活性剤を用いて安定に分散させ,水やトルエンなどの流体溶媒中に高密度で濁らせたものである。 1965年,アメリカのアポロ計画一環として開発され,宇宙船内外を通るシール材として注目された。真空部回転シール (宇宙服の首など動く部分をぴったり密封するシール材) ,比重選別,スイッチ,液体ダンパなどに利用され,また,動脈瘤 (りゅう) 部での血液遮断などとしての応用研究が行なわれている。

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最新 地学事典 「磁性流体」の解説

じせいりゅうたい
磁性流体

magnetic fluid

極微粒の磁鉄鉱を含むコロイド溶液。分散媒として水・油・炭化水素などが用いられる。この流体を含浸させた岩石試料の初磁化率異方性を測定することによって,浸透率の異方性を定量的に評価することができ,油ガス田における地層流体の挙動予測に用いられる。また,X線CTスキャン処理を施すことによって,磁性流体の浸透度濃淡による密度コントラストの三次元的マッピングが行え,繊細な化石や堆積構造の可視化に応用されている。[伊藤 康人]

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世界大百科事典(旧版)内の磁性流体の言及

【磁性材料】より

…材料としてはニッケルを含む合金またはフェライトなどが用いられる。
[その他の磁性材料]
 磁性材料は大部分固体であるが,磁性流体と呼ばれる流体がある。これは流体のなかに100Å程度のきわめて細かいマグネタイトの微粒子を分散させたもので,粒子をこのように細かくするとコロイド状態になり,液体と粒子がほとんど分離せず,粒子は浮遊しつづけるようになる。…

※「磁性流体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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